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[マーベル]ネタバレMCU22作目『アベンジャーズ / エンドゲーム』観てない人も完璧にわかるストーリー解説

アベンジャーズが、終わるー

『アベンジャーズ / エンドゲーム』は2019年に公開された映画で、MCU(MARVEL Cinematic Universe)の中では『キャプテン・マーベル』に続く22作目の作品です。

MCUでの位置付けはフェーズ3、時系列としては『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の直後、そしてその5年後が主な舞台となります。

制作費は3億5600万ドル、世界興行収入は27億9700万ドルで世界歴代1位の興行収入を記録するという偉業を達成しました。

本作は2008年の『アイアンマン』から始まったMCU11年間の歴史に大きな区切りをつける超重要作品であり、上映時間も181分とMCU史上最大のボリュームになっています。

SPOILER ALERT!

※ここからは『アベンジャーズ / エンドゲーム』の内容を丁寧に解説してまとめています。もちろんネタバレありです。



主な登場人物

『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』で生き残った組

トニー・スターク(アイアンマン) / ロバート・ダウニー・Jr

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でサノスに完敗した後、ネビュラと共に宇宙を漂流している。
ロバート・ダウニー・Jrはアメリカ出身の1965年生まれ。引き取った2匹の捨て猫を溺愛していて、スマホの中には猫の写真がいっぱいあるらしい。

スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ) / クリス・エヴァンス

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でサノスに完敗した後は、生き残ったメンバーと共に消えた仲間たちを復活させる方法を模索している。
クリス・エヴァンスはアメリカ出身の1981年生まれ。トランプ大統領に対する批判をよくツイートしている。

ソー / クリス・ヘムズワース

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でサノスを仕留め損なった自分にイラついている。
クリス・ヘムズワースはオーストラリア出身の1983年生まれ。2019年で最も稼いだ俳優の第2位にランクイン(1位はドウェイン・ジョンソン)

ブルース・バナー(ハルク) / マーク・ラファロ

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の冒頭でサノスに完敗してから、ハルクは表に出てこなくなっていたが、今作でついに人格を統合して「スマートハルク」となる。
マーク・ラファロはアメリカ出身の1967年生まれ。ハルクの声はマーク・ラファロじゃなくてボディ・ビルダーのルー・フェリグノ。

ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ) / スカーレット・ヨハンソン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の後はスティーブと共に「家族」同然の仲間を助け出すために奮闘する。
スカーレット・ヨハンソンはアメリカ出身の1984年生まれ。『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』撮影時は妊娠していたため多くのスタントダブルがいたらしい。

クリント・バートン(ホークアイ) / ジェレミー・レナー

©︎2019 MARVEL STUDIOS

初期アベンジャーズメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』には登場していなかったが、サノスのデシメーションによって家族を消されてしまい、自暴自棄で世界中の悪人を殺し回る。
ジェレミー・レナーはアメリカ出身の1971年生まれ。飛行機で移動中に友人から睡眠薬と騙されてバイアグラを飲まされた経験がある。

ジェームズ・”ローディ”・ローズ(ウォーマシン / アイアンパトリオット) / ドン・チードル

©︎2019 MARVEL STUDIOS

トニーの親友の元空軍大佐。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』のあとはクリントの行方を追う。
ドン・チードルはアメリカ出身の1964年生まれ。愛車はTOYOTAのプリウス。

スコット・ラング(アントマン) / ポール・ラッド

©︎2019 MARVEL STUDIOS

アントマン&ワスプ』のラストで量子世界に入り込んでいる間にサノスのデシメーションによって5年間量子世界に取り残されていた。本作のキーマン。
ポール・ラッドはアメリカ出身の1969年生まれ。俳優として成功する前はDJをやっていたこともある。

キャロル・ダンヴァース(キャプテン・マーベル) / ブリー・ラーソン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

元空軍テストパイロット。インフィニティ・ストーンの一つスペース・ストーンのエネルギーを浴び、チート級のパワーを手に入れた。
ブリー・ラーソンはアメリカ出身の1989年生まれ。カラオケで歌う得意な曲はアッシャーの「Burn」。

ロケット / ショーン・ガン(声はブラッドリー・クーパー)

©︎2019 MARVEL STUDIOS

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバー。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の後は地球に残って消えた仲間を元に戻す手助けをする。
ショーン・ガンはアメリカ出身の1974年生まれ。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズの監督ジェームズ・ガンを含む6人兄弟の末っ子。
ブラッドリー・クーパーはアメリカ出身の1975年生まれ。俳優デビュー前はニューヨークの「モーガンズホテル」でドアマンをしていたこともある。

ネビュラ / カレン・ギラン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

サノスの義理の娘。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の後はトニーと共に宇宙空間を彷徨うことに。今作のキーマンの1人。
カレン・ギランはスコットランド出身の1987年生まれ。18歳の時にロンドンのパブで働いていたところをモデル事務所にスカウトされる。

オコエ / ダナイ・グリラ

©︎2019 MARVEL STUDIOS

ワカンダ王室親衛隊「ドーラ・ミラージュ』の隊長。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の後は王不在のワカンダを拠点に治安活動を行なっている。
ダナイ・グリラはアメリカ出身の1978年生まれ。ドラマ『ウォーキング・デッド』に出演後、サターン賞で最優秀助演女優賞を受賞。

ペッパー・ポッツ / グウィネス・パルトロウ

©︎2019 MARVEL STUDIOS

トニーの妻でスターク・インダストリーズのCEO。今作ではペッパー用のアイアンスーツ「レスキュー」を着用して戦いに参加する。
グウィネス・パルトロウはアメリカ出身の1972年生まれ。ロックバンド「コールドプレイ」のボーカル、クリス・マーティンと結婚していた時期がある。

サノス / ジョシュ・ブローリン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

前作に引き続き今作のメインヴィラン。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』で宇宙の生命を半分にする目標を達成したことで、引退し穏やかに過ごす。
ジョシュ・ブローリンはアメリカ出身の1968年生まれ。自宅では3台のPCで株取引を行うガチトレーダー。

『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』で消えてしまった組

ティ・チャラ(ブラックパンサー) / チャドウィック・ボーズマン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

ワカンダ王国国王。地球上で最強の金属ヴィヴラニウム由来のスーパーパワーをもつ。
チャドウィック・ボーズマンはアメリカ出身の1976年生まれ。父親は家具の会社を経営。

スティーブン・ストレンジ(ドクター・ストレンジ) / ベネディクト・カンバーバッチ

©︎2019 MARVEL STUDIOS

ソーサラー・スプリーム(至高の魔術師)の称号をもつ魔術師。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』で1400万605通りの未来を見て、一つだけサノスに勝てる方法を知っていた。
ベネディクト・カンバーバッチはイギリス出身の1976年生まれ。映画監督スティーブン・スピルバーグからは「フェラーリのような演技力」と賞賛される。

サム・ウィルソン(ファルコン) / アンソニー・マッキー

©︎2019 MARVEL STUDIOS

元空軍パラシュート部隊に所属。現代のスティーブの頼れるパートナー。
アンソニー・マッキーはアメリカ出身の1978年生まれ。2011年に「NoBar」というバーをニューヨークにオープン。

バッキー・バーンズ(ウィンター・ソルジャー) / セバスチャン・スタン

©︎2019 MARVEL STUDIOS

スティーブの親友。スティーブと同じく冷凍睡眠によって現代で目覚める。
セバスチャン・スタンはルーマニア出身の1982年生まれ。バッキーの長い髪は『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』の撮影時以外は全てカツラ。

ピーター・クイル(スター・ロード) / クリス・プラット

©︎2019 MARVEL STUDIOS

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのリーダー。他のメンバーのドラックスとグルートについては本記事では割愛。
クリス・プラットはアメリカ出身の1979年生まれ。高校卒業後はベビーシッターやストリッパーとして働いていた。

ピーター・パーカー(スパイダーマン) / トム・ホランド

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アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でトニーに認められアベンジャーズ入りを果たすも消滅。このことでトニーは自分を責めている。
トム・ホランドはイギリス出身の1996年生まれ。右脚の裏にクモのタトゥーを入れている。

ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ) / エリザベス・オルセン

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インフィニティ・ストーンの一つ「マインド・ストーン」の力でサイコキネシスを使えるようになった強化人間。
エリザベス・オルセンはアメリカ出身の1989年生まれ。2019年にインディーズミュージシャンのロビー・アーネットと婚約。

過去に死んでしまったキャラクター

ロキ / トム・ヒドルストン

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ソーの義弟。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の冒頭でサノスに殺されてしまう。
トム・ヒドルストンはイギリス出身の1981年生まれ。『アベンジャーズ(2012)』の撮影の際、リアルさを求めるためにソー役のクリス・ヘムズワースに本気で殴るように言った。

ガモーラ / ゾーイ・サルダナ

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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーでサノスの養女。『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でインフィニティ・ストーンの一つソウル・ストーンを手に入れるための犠牲として殺された。
ゾーイ・サルダナはアメリカ出身の1978年生まれ。イギリスの女優タンディ・ニュートンによく間違われる。

ブラック・ラムロウ(クロスボーンズ) / フランク・グリロ

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ヒドラの一員で、S.H.I.E.L.D.の特殊部隊“S.T.R.I.K.E.”のリーダー。『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』冒頭でスティーブとの相討ちを狙って自爆した。
フランク・グリロはアメリカ出身の1965年生まれ。苗字のグリロはスペイン語でコオロギという意味。

エンシェント・ワン / ティルダ・スウィントン

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ドクター・ストレンジの師であり、700歳を超える”至高の魔術師”。『ドクター・ストレンジ』作中で戦いの中で死亡。
ティルダ・スウィントンはイギリス出身の1960年生まれ。2007年に「世界で最もカッコいい女性10人」の1人に選ばれる。

マーガレット・エリザベス・”ペギー”・カーター / ヘイリー・アトウェル

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スティーブの元恋人。『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』作中にて老齢のため死亡。
ヘイリー・アトウェルはイギリス出身の1982年生まれ。8歳の時に生きたロブスターが沸騰したお湯に入れられるのを見てからベジタリアンになる。

ハワード・スターク / ジョン・スラッテリー

©︎2019 MARVEL STUDIOS

トニー・スタークの父親でS.H.I.E.L.D.創設メンバーの1人。『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』でウィンター・ソルジャーによって1991年に殺されたことがわかっている。
ジョン・スラッテリーはアメリカ出身の1962年生まれ。演じたハワード・スタークは実在した実業家で発明家のハワード・ヒューズがモデル。

フリッガ / レネ・ルッソ

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ソーの母。『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』でダークエルフに殺されている。
レネ・ルッソはアメリカ出身の1954年生まれ。ゴマアレルギー。



ストーリー解説

消えてしまうクリントの家族、そしてトニーとネビュラの帰還

シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』での一件から、現役を退き軟禁状態にあったクリントは家族と穏やかな日々を過ごしていました。家の外で過ごしていたクリント達でしたが、クリントがほんの一瞬目を離した隙に奥さんと2人の子供は塵になって消えてしまったのでした。

アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でサノスによって全宇宙の生命の半分が消し去られてから惑星タイタンで生き残ったトニーとネビュラは、宇宙船ベネターに乗って宇宙を漂流していました。3週間が経つ頃、食料も尽き、トニーは死を覚悟していました。

ペッパーに遺言を残すトニー ©︎2019 MARVEL STUDIOS

その時、生き残っていた地球のスティーブ(キャプテン・アメリカ)達と合流していたキャロル(キャプテン・マーベル)が単身トニーとネビュラを救出しにやって来ます。キャロルはベネターごとトニー達を地球に運び、トニーとネビュラはアベンジャーズ本部のスティーブ達と合流するのでした。

サノスを仕留めたアベンジャーズ、消えたインフィニティ・ストーン

衰弱しているトニーはサノスを止められなかったこと、そしてかつてウルトロンを配備していればこうならなかったかもしれない(『アベンジャーズ / エイジ・オブ・ウルトロン』参照)、という後悔から来る怒りをスティーブにぶつけた後、栄養失調で入院します。

スティーブ達生き残ったアベンジャーズのメンバーはサノスによって奪われた仲間を取り戻すため、インフィニティ・ストーンを奪い、その力で仲間を復活させることを決意します。ネビュラの心当たりからサノスの居場所がわかった一同は、ベネターに乗ってサノスのいる惑星へ向かいました。

自身の目的を達成して引退したサノスは、「農園」と呼ぶのどかな惑星で1人生活していました。食事の支度をしている隙を急襲したアベンジャーズメンバーはサノスを羽交い締めにして、インフィニティ・ガントレットを奪うことに成功します。ですがそこにはあるはずのインフィニティ・ストーンは無く、サノスは「石は破壊した」と告げます。失った仲間はもう戻ってこないという現実に呆然とするアベンジャーズメンバー、そしてソーは怒りに任せてサノスの首を切り落としてしまうのでした。

5年の月日が流れ、時は2023年ー。時を越えて帰還したスコット

サノスを仕留めてから5年後の2023年。地球は多くの人が愛する人を失った悲しみを受け入れながらも一応の平穏を取り戻していました。スティーブは人々を勇気付けるセラピーを行い、ロケット、ネビュラ、キャロルは宇宙の、オコエとローディは世界各地の治安維持に務めていました。ナターシャがアベンジャーズ本部から全員とコンタクトを取るなか、キャロルははるか遠い惑星を助けるべく「しばらく帰らない」と言い残し、ローディはクリントが世界各地でマフィアを暗殺し回っているという情報を伝えるのでした。

スティーブは人々が少しずつ全身しようとしている姿を見て自分達の役目は終わったのかもしれないと考えます。ですがナターシャは家族同然だった仲間を失い、そして残り少ない仲間を繫ぎ止めることに憔悴していました。

そんな時、ある場所で偶然にも廃棄されていた車に積まれた装置が起動したことでスコット(アントマン)が量子の世界から現実の世界に戻って来ます(『アントマン&ワスプ』参照)。量子世界から戻ったスコットはあまりの世界の変貌ぶりに困惑、自分のいない間に何が起きたのかわかりませんでした。ですが自宅に戻ると奇跡的に生き延びていた娘のキャシーに再会、彼女はスコットの知るキャシーよりも5歳成長していたのでした。スコットは、スティーブとナターシャに会いにアベンジャーズ本部へ向かいます。

アベンジャーズ本部を訪れるスコット ©︎2019 MARVEL STUDIOS

まさかのスコットの訪問に驚きを隠しきれないスティーブとナターシャ。そこでスコットは量子の世界では5年間が2時間ぐらいの感覚だったと言い、時間の概念を超える量子世界からタイムトラベルができるのではないかと提案します。スティーブとナターシャはその計画に望みを託し、仲間を集め始めるのでした。

スマートハルク、ファット・ソー、ローニン、そしてトニーはー。

スティーブ達はタイムトラベルの実現に協力してもらうべくトニーの元を訪れました。5年ぶりに会ったトニーはペッパーとの間にモーガンという娘を授かっており、今の幸せな生活を守りたいトニーにはもはや再び戦うという意思はありませんでした。スコットのタイムトラベルのアイデアは否定され、スティーブ達はブルースに相談することにします。

これまでハルクとは別々で人格が存在していたブルースは、5年の間にそれを融合させハルクの肉体にブルースの知能を宿すことに成功、「スマートハルク」となっていました。スティーブ、ナターシャ、スコットは子供達に大人気のブルースに会い、協力を依頼します。自分の専門ではないと言いつつタイムトラベル装置を作ったブルースでしたが、実験は失敗してしまいます。

ハルクの肉体にブルースの知能が融合したスマートハルク ©︎2019 MARVEL STUDIOS

ソーはノルウェーの片田舎に「ニュー・アスガルド」という村を作っていました。ブルースとロケットはソーに再び共に戦うよう呼びかけるべくソーの元を訪れました。ですがサノスの首を撥ねて以降、5年の間にソーは酒に溺れて引きこもり、ブヨブヨの体に激変していました。トニーと同じく再び戦う意思が無くネガティブになってしまっていたソーでしたが、ブルース達の説得により仲間を取り戻すことを決意します。

コルグ達とゲームをして引きこもり生活を送るソー ©︎2019 MARVEL STUDIOS

サノスのスナップにより家族を失ってしまったクリントは、自暴自棄になり「ローニン」となって生き残った悪党を殺し回る日々を送っていました。日本でヤクザを襲っていたクリントの元へかつての親友ナターシャが現れます。まだ失った家族を取り戻せる可能性があることを伝えると、クリントはナターシャと共にアベンジャーズ本部へ戻るのでした。

「ローニン」になったクリント ©︎2019 MARVEL STUDIOS

タイムトラベルの準備を進めるアベンジャーズ一同でしたが、実験はなかなか思うような結果が出せずにいました。そこへトニーが現れ、協力すると言い出します。トニーはスティーブ達が説得に訪れて以降、自宅の地下で密かに研究を始めており、ついにタイムトラベルを可能にする装置とスーツを生み出していたのでした。トニーが『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』以来没収していた盾もスティーブに渡し、2人は和解しました。

インフィニティ・ストーンを求めて過去へ。3チームに別れるアベンジャーズ

過去にタイムトラベルすることでインフィニティ・ストーンを回収する計画を立てるアベンジャーズ一同でしたが、タイムトラベルに必要なピム粒子(『アントマン』参照)の数は残り少なくなっていました。そこで一同は3つのグループに分かれてストーンを集めることにします。

  • 2012年のニューヨーク組…トニー、スティーブ、ブルース、スコット
    狙うはスペース・ストーン、マインド・ストーン、タイム・ストーン
  • 2013年のアスガルド組…ソー、ロケット
    狙うはリアリティ・ストーン
  • 2014年の惑星モラグと惑星ヴォーミア組…ローディ、ネビュラ、クリント、ナターシャ
    狙うはパワー・ストーン、ソウル・ストーン

2012年のニューヨーク、さらに1970年へ

アベンジャーズ』で戦いの舞台となった2012年のニューヨークにタイムトラベルしたトニー、スティーブ、ブルース、スコットの4人。トニー、スティーブ、スコットはこの戦いでS.H.I.E.L.D.が回収したスペース・ストーンが入ったテッセラクトと、マインド・ストーンが付いたセプターを奪いに行きます。ブルースはニューヨークのサンクタム(『ドクター・ストレンジ』参照)にいるであろうドクター・ストレンジに会い、タイム・ストーンを譲り受けに行くのでした。

[マインド・ストーン]
セプターを回収したS.H.I.E.L.D.に紛れてスティーブがセプターを奪取。その時2012年の自分に遭遇、ロキが変装していると思われてしまい戦闘に。やや苦戦しながらもなんとか打ち勝って無事にマインド・ストーンを回収しました。

2023年のキャプテン・アメリカ対2012年のキャプテン・アメリカ ©︎2019 MARVEL STUDIOS

[タイム・ストーン]
ニューヨークのサンクタムを訪れたブルースでしたが、そこにドクター・ストレンジはおらず、エンシェント・ワンが人知れずチタウリを撃退してサンクタムを守っていました。エンシェント・ワンによるとストレンジはまだこの時代では自動車事故によって手術を受けている頃だったのです(『ドクター・ストレンジ』参照)。ブルースはエンシェント・ワンにタイム・ストーンを渡すよう頼みますが、彼女は「ストーンを渡すことで別の未来が生まれる」ためにこれを拒否します。ですがブルースが「ストーンを使った後、元の時代に返しにくると」いうこと、そして「未来でストレンジがサノスにタイム・ストーン」を渡したということを説明すると、「ストレンジの行動には何か意味があったはず」とタイム・ストーンをブルースに託すのでした。

[スペース・ストーン]
スペース・ストーンの入ったテッセラクトを回収したトニーとスコットでしたが、偶然この時代のハルクに邪魔されてしまいテッセラクトを落としてしまいます。そして拘束されていたロキがテッセラクトを持って逃げてしまいました。トニーとスコットはマインド・ストーンを回収したスティーブと合流しましたがタイムトラベルのためのピム粒子は帰りの1回分しか残っていませんでした。そこでトニーはピム粒子とテッセラクトの両方が同時に手に入る時代があることを思い出します。スコットはマインド・ストーンを持って元の時代へ戻り、トニーとスティーブは1970年のニュージャージーに向かうのでした。

1970年のニュージャージーにはS.H.I.E.L.D.の前身となる軍事施設がありました。そこにはトニーの父ハワード・スターク、スティーブの元恋人ペギー・カーター、そして若かりし頃のピム博士の3人が揃っていたのです。『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』以降テッセラクトはハワードが保管しており、ピム博士がピム粒子の研究をしていました。トニーはハワードと遭遇するというアクシデントに遭うも無事テッセラクトを回収、スティーブもペギーを一目見てからピム粒子を回収し2人は元の時代へ戻りました。

2013年のアスガルド

[リアリティ・ストーン]
2013年のアスガルドにタイムトラベルしたソーとロケットでしたが、その日はちょうどダークエルフが攻め込んでくる日でした(『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』参照)。ソーは偶然母親のフリッガに遭遇しますが、フリッガは変わったソーを一目見て「未来から来たのね」と言いソーを励まします。自信を取り戻したソーはまだこの時代に存在していたムジョルニアを回収し、ロケットもソーの元恋人ジェーンの体内に入り込んだリアリティ・ストーンを無事に回収し2人は元の時代へ戻りました。

ムジョルニアが再びソーの手に ©︎2019 MARVEL STUDIOS

2014年の惑星モラグ、そこから惑星ヴォーミアに向かうナターシャとクリント

2014年の惑星モラグにタイムトラベルしたローディ、ネビュラ、クリント、ナターシャの4人。クリントとナターシャはソウル・ストーンを回収するためそこから惑星ヴォーミアへ向かいます。

[パワー・ストーン]
パワー・ストーンが入っている「オーブ」をあっさりと手に入れたローディとネビュラは、元の時代へ戻ろうとしました。ローディがストーンを持って先に戻った直後、ネビュラの回路に不具合が発生して倒れ込んでしまいます。そしてその時代にいた別のネビュラとデータが同期してしまうというアクシデントが発生、側にいたサノスに存在がバレてしまいました。

現実世界のネビュラはサノスに捕らえられてしまい、未来からやって来たこと、そしてインフィニティ・ストーンを集めていることを知られてしまいます。そしてこの時代の、まだサノスに忠実なネビュラが現実世界のネビュラとすり替わって現実世界へ戻ることを計画するのでした。

[ソウル・ストーン]
惑星ヴォーミアにたどり着いたクリントとナターシャは、ソウル・ストーンを手に入れるためにはどちらかの命を犠牲にしなければいけないことを知ります。お互いに自らが命を捨てると言い、争いに発展するも最終的にはナターシャが崖から飛び降りて犠牲となりました。泣き崩れるクリントの手にはソウル・ストーンが握り締められていました。

究極の選択を迫られたクリントとナターシャ ©︎2019 MARVEL STUDIOS

2023年に戻ったアベンジャーズ、世界は元に戻るも…

3チームに別れていたメンバーはそれぞれインフィニティ・ストーンを手にして元の2023年に帰還しました。ただそこにナターシャの姿はありませんでした。ソウル・ストーンのために犠牲になったことを知ったメンバーは悲しみに暮れますが、彼女のためにも世界を元に戻さなければいけません。

トニーがインフィニティ・ストーンのパワーを扱えるアイテム「スターク・ガントレット」を完成させますが、相当なエネルギーの負荷に耐えられる人物でなければ使用することができませんでした。ストーンから発せられるガンマ線に耐えられるということからブルースが名乗りをあげ、ガントレットを装着してスナップを実行しました。

まばゆい閃光の後、ガントレットを装着していたブルースは倒れこみ、右腕は深刻なダメージでボロボロになっていました。心配して駆け寄るアベンジャーズメンバー、その時クリントのケータイに着信が入ります。画面には失ったはずの奥さんからの着信が表示されており、サノスのスナップによって消滅した人々が戻ってきたことを悟ります。

その瞬間、アベンジャーズ本部は空から何者かによって爆撃を受けて崩壊してしまいます。

実は2023年に戻ってきたネビュラは本来のネビュラではなく、2014年のネビュラがなりすましていました。ブルースがガントレットを装着していた頃、こっそりと2014年の時代からサノスの軍隊を2023年にタイムトラベルさせて呼び寄せていたのでした。

地上に降り立ったサノスはインフィニティ・ストーンが揃ったガントレットを奪ってくるようネビュラに指示し、座ってその帰りを待っていました。

そしてトニー、スティーブ、ソーの3人はサノスを仕留めるため戦いを挑むのでした。

サノスにリベンジを挑む3人 ©︎2019 MARVEL STUDIOS

最終決戦、アベンジャーズ総集結

サノス1人を相手に戦いを挑んだトニー、スティーブ、ソー。スティーブがソーのハンマー(ムジョルニア)を扱うなどサプライズもありましたが、やはり圧倒的な強さのサノスには歯が立ちません。さらにサノスの軍も集結して地球の侵攻を開始、状況は絶望的かと思われたその時ー。

スティーブに聞き覚えのある声から通信が入ります。「左を見ろ」

そこには空間に穴が空いており、そこからティ・チャラ(ブラックパンサー)やサム(ファルコン)が現れました。そしてピーター・パーカー(スパイダーマン)やドクター・ストレンジ、ピーター・クイル(スター・ロード)など蘇った仲間たちが次々にやってきます。アスガルド軍、ワカンダ軍、マスターズ・オブ・ミスティック・アーツの魔術師たち、ラヴェジャーズ(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : リミックス』参照)、そしてアイアンスーツを装着したペッパー、さらには宇宙からキャロル(キャプテン・マーベル)までもが登場して、アベンジャーズ対サノス軍の全面対決が始まるのでした。

圧巻の総力戦 ©︎2019 MARVEL STUDIOS

サノスの手に渡る前にインフィニティ・ストーンを各時代へ戻そうとタイムトンネルへ向かうアベンジャーズと、ガントレットを奪おうとするサノス軍の争奪戦は激しい攻防を繰り広げていました。しかしサノスがタイムトンネルの装置を破壊してしまったことで戦況は一変、サノスは抵抗するトニー達を一蹴してついにスターク・ガントレットを手に入れます。

サノスは念願のスナップを実行、全宇宙の生命はまたもや消滅するかと思われたその瞬間、サノスの装着したガントレットにストーンは付いていませんでした。

トニーはサノスにガントレットを奪われる寸前に、アイアンマンに搭載していたナノ技術で自らの右腕にストーンを移動させていたのでした。

トニーの技術と執念がもたらした勝利 ©︎2019 MARVEL STUDIOS

トニーはインフィニティ・ストーンの力を使ってスナップを実行したことでサノスを含むサノス軍は消滅、史上最大の戦いは終わりました。しかしインフィニティ・ストーンの強力なパワーと引き換えにトニーは力尽き、妻のペッパーや仲間が見守る中静かに息を引き取りました。

これが『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でドクター・ストレンジが見た「唯一サノスに勝てる方法」だったのでした。

命と引き換えに世界を救ったトニー ©︎2019 MARVEL STUDIOS

トニーの葬儀、ソーの王位継承、そしてスティーブはー

トニーの葬儀は自宅で行われ、アベンジャーズメンバーに加えてニック・フューリーやハーレー(『アイアンマン3』参照)も出席していました。

ソーは自分は王にふさわしい性格ではないと悟り、ヴァルキリーに王位を譲りました。そしてガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバー達と共に新たな冒険に出かけるのでした。

スティーブはインフィニティ・ストーンを元の時代に返しにいく旅に出かけます。それを見守るのは親友のサムとバッキー。ブルースがタイムトラベル装置を起動させるとスティーブは消え、その5秒後にスティーブはストーンを返して戻ってくるはずでした。ですが一向にスティーブは戻ってきません。

その時バッキーが湖の辺りのベンチに座る1人の男性の後ろ姿に気づきます。サムとバッキーが近づくと、そこには年老いたスティーブが座っていました。

年老いたスティーブ ©︎2019 MARVEL STUDIOS

「自分の人生を生きてみたよ。」スティーブはインフィニティ・ストーンを返すために過去に行きましたが、元の2023年には戻らず、ペギーのいる時代で彼女と共に生きることに決めたのでした。

スティーブはキャプテン・アメリカを引退し、サムがキャプテン・アメリカのトレードマークである盾を引き継ぐのでした。

ようやく「ダンスの約束」を果たしたスティーブ ©︎2019 MARVEL STUDIOS

今後のために押さえておきたいポイント

  • MCUを11年にわたって牽引してきたトニー・スターク(アイアンマン)、そしてスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)、ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)といったメインキャラクターがMCUを卒業しました。彼らがいなくなったことで今後のMCUにどういう影響が生まれるのかに注目です。
  • ソーはアスガルドをヴァルキリーに託し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーと共に旅立ちました。ソーの物語はまだ続きます。
  • アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』でロキとガモーラはサノスによって殺されましたが、『エンドゲーム』で過去に行ったことで過去のロキとガモーラが登場しました。2012年のロキはテッセラクトを持って逃亡、2014年のガモーラはサノスと共に2023年にタイムトラベルしており、トニーのスナップの影響を受けずにまだ生きています。ロキの今後についてはドラマシリーズ『ロキ』で、ガモーラについては『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(仮題)』で明らかになると思われます。
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