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[MARVEL]ネタバレMCU20作目『アントマン&ワスプ』観てない人も完璧にわかるストーリー解説

身長1.5センチ 最強のヒーロー&ヒロイン

『アントマン&ワスプ』は2018年に公開された映画で、MCU(MARVEL Cinematic Universe)の中では『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』に続く20作目の作品で『アントマン 』シリーズとしては2作目の作品になります。

MCUでの位置付けはフェーズ3、時系列としては『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』から約2年後、そして『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の直前の話になります。また『アントマン&ワスプ』はMCU22作目『アベンジャーズ / エンドゲーム』へ深く関わってきます。

制作費1億6200万ドル、世界興行収入は6億2000万ドルでした。

今作では前作の『アントマン』で少し語られた「量子世界」についてより深く踏み込んでいきます。この量子世界の概念は今後のMCUに大きく関わっていきます。

SPOILER ALERT!

※ここからは『アントマン&ワスプ』の内容を丁寧に解説してまとめています。もちろんネタバレありです。



主な登場人物

スコット・ラング(アントマン) / ポール・ラッド

©︎2018 MARVEL STUDIOS

前作『アントマン』でハンク・ピムに代わって2代目アントマンとなったが『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』でキャプテン・アメリカ側に加担したことから2年間の自宅軟禁状態となっている。元窃盗犯だが愛娘キャシーのことを心から愛している。
ポール・ラッドはアメリカ出身の1969年生まれ。ポール・ラッドという名前の俳優がすでにいたことから最初は「ポール・スティーブン・ラッド」で活動していた。

ホープ・ヴァン・ダイン(ワスプ) / エヴァンジェリン・リリー

©︎2018 MARVEL STUDIOS

ハンクとジャネットの一人娘。ジャネットのワスプスーツを引き継いで2代目ワスプになる。『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』でのスコットの過失のせいで、FBIに追われる身となっていた。
エヴァンジェリン・リリーはカナダ出身の1979年生まれ。フランス語もペラペラ。

ハンク・ピム(初代アントマン) / マイケル・ダグラス

©︎2018 MARVEL STUDIOS

物質の大きさを変えるピム粒子を発明した天才科学者で初代アントマン。過去にS.H.I.E.L.D.で研究していた。娘のホープと共にFBIに追われる身となっている。
マイケル・ダグラスはアメリカ出身の1944年生まれ。父親のカーク・ダグラスはSNSにブログを掲載する最高齢のハリウッドスター。



ジャネット・ヴァン・ダイン(初代ワスプ) / ミシェル・ファイファー

©︎2018 MARVEL STUDIOS

ハンクの妻でホープの母親。かつて初代ワスプとしてハンクと一緒にS.H.I.E.L.D.の特殊任務についていたが、任務中やむを得ず原子以下まで小さくなってしまい、それ以降は量子の世界で行方不明になっている。
ミシェル・ファイファーはアメリカ出身の1958年生まれ。雑誌「ピープル」で1990年と1999年の2回「世界で最も美しい人物」に選ばれる。

ルイス / マイケル・ペーニャ

©︎2018 MARVEL STUDIOS

スコットの親友で元泥棒仲間。現在はスコット、デイヴ、カートと警備会社「エックス・コン・セキュリティ・コンサルタント」を経営している。
マイケル・ペーニャはアメリカ出身の1976年生まれ。過去に「Nico Vega」というロックバンドに所属してドラムを担当していた。

デイヴ / ティップ・”T.I”・ハリス

©︎2018 MARVEL STUDIOS

スコットの友人で元車泥棒。現在はルイスが経営する「エックス・コン・セキュリティ・コンサルタント」のメンバーとして、社の命運を握る最新の防犯システムのプレゼンに余念がない。
ティップ・”T.I”・ハリスはアメリカ出身の1980年生まれ。これまで武器の違法取引やドラッグの所持などで計3回逮捕されている。

カート / デヴィッド・ダストマルチャン

©︎2018 MARVEL STUDIOS

スコットの友人で元泥棒仲間。現在はルイスが経営する「エックス・コン・セキュリティ・コンサルタント」のメンバー。
デヴィッド・ダストマルチャンはアメリカ出身の1984年生まれ。ホラー映画とモンスター映画の大ファン。



ジミー・ウー / ランドール・パーク

©︎2018 MARVEL STUDIOS

自宅謹慎状態のスコットを監視するFBI捜査官。スコットに付けた装置から信号が発せられたり、自宅以外の場所での目撃情報などがあるとするとすぐにスコットの元に駆けつける。
ランドール・パークはアメリカ出身の1973年生まれ。『ザ・インタビュー(2014)』で北朝鮮の金正恩を怪演して話題に。

エイヴァ・スター(ゴースト) / ハナ・ジョン=カーメン

©︎2018 MARVEL STUDIOS

元S.H.I.E.L.D.の研究者であった父親の事故によって、幽霊のようにあらゆる物質をすり抜ける量子フェージング能力を持つ。S.H.I.E.L.D.に保護された後、治療と引き換えと称してスパイ活動や暗殺をやらされていた。S.H.I.E.L.D.崩壊後はビルに引き取られて、治療を続けている。
ハナ・ジョン=カーメンはイギリス出身の1989年生まれ。キャリアスタートは2011年のゲーム「Dark Souls」の声優から始まった。

ビル・フォスター / ローレンス・フィッシュバーン

©︎2018 MARVEL STUDIOS

かつてハンクとジャネットと共にS.H.I.E.L.D.で量子の研究をしていたが、ハンクと仲が悪くなってS.H.I.E.L.D.を辞め、現在は大学の教授。S.H.I.E.L.D.を辞める際にエイヴァを引き取り、彼女の身体の治療法探しを手伝っている。
ローレンス・フィッシュバーンはアメリカ出身の1961年生まれ。日本のアニメ『AKIRA』『攻殻機動隊』『北斗の拳』の大ファン。

ソニー・バーチ / ウォルトン・ゴギンズ

©︎2018 MARVEL STUDIOS

表向きはレストランの経営者だが、裏ではブラックマーケットを取り仕切る武器ディーラー。今作でハンクとホープが開発していた「量子トンネル」に興味を持って研究所を狙う。
ウォルトン・ゴギンズはアメリカ出身の1971年生まれ。スキューバダイビングが大好き。



ストーリー解説

ハンクとホープは量子世界の研究を続けていた

時は1987年。ハンクとジャネットは、初代「アントマン」そして「ワスプ」として、発射されたソ連の核ミサイルを停止させる任務についていました。そしてそのミサイルを止めるためには原子より小さくなって内部に侵入するしか方法はなく、それは戻ってこれる保証のないものでした。しかもこの時ハンクのスーツには不具合が発生してしまいます。意を決したジャネットは一人、限界まで縮小してミサイルの内部へ侵入、作戦は成功しましたがジャネットが戻ってくることはありませんでした。

そして時は現代。『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』でスコットが独断でキャプテン・アメリカに加担したことでハンクと娘のホープもFBIに追われる身となっていました。ですがスコットが前作『アントマン』で量子世界から帰還することに成功したことをきっかけに、量子世界に消えたジャネットを取り戻せる可能性を見出して、2人は研究に没頭するのでした。

量子トンネルの研究を進めるハンク ©︎2018 MARVEL STUDIOS

謹慎中のスコットがジャネットの夢をみる

シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』ではアベンジャーズを国連の管理下に置くという「ソコヴィア協定」の賛否を巡ったアベンジャーズが分裂する様子が描かれていました。そして協定に反発していたキャプテン・アメリカに加担したスコットは、「ソコヴィア協定に違反した」と見なされて逮捕、その後は自宅に軟禁されてFBIの監視下にありました。

FBIの監視によって自宅から出られないスコット ©︎2018 MARVEL STUDIOS

特に問題を起こすこともなく2年に及ぶ軟禁生活が終わりを告げる頃、スコットは量子世界に関する奇妙な夢を見ます。その夢の中では量子世界に消えたと聞かされていたジャネットが現れ、「君の知る全ての愛するものが消滅する」と告げました。目覚めたスコットは絶縁状態だったハンクに連絡を取って「君の奥さんを見たと思う」と伝えるのでした。



ジャネット救出作戦開始、そしてゴースト現る

スコットからのメッセージを聞いたハンクとホープは、ジャネット救出のためにスコットと再び手を組むことに。スコットはFBIの目を逃れてハンクたちによってこっそり家から連れ出されます。そしてスコットが見た夢とは、ハンクたちが作った量子トンネルが起動した影響で起きた「量子もつれ」の影響によるものでした。

ジャネット救出のための量子トンネルを完成させるのに必要な部品を手に入れるため、ホープは闇市のディーラーであるソニー・バーチと取引に向かいます。しかしFBIと内通していたバーチは、ホープ達の弱みを盾に量子トンネルの研究成果とラボをよこすように要求しました。部品を手に入れるためホープは「ワスプ」のスーツを着て戦闘、バーチたちを圧倒します。その時、幽霊のように物質をすり抜ける「ゴースト」が突如現われホープを妨害、駆けつけたスコットの応戦も空しく、ゴーストは縮小したラボを奪い去ってしまうのでした。

ハンクの元同僚ビル、そしてゴーストの目的とは

ハンクはこの危機から自身の過去を振り返って、かつてS.H.I.E.L.D.で元同僚だったビル・フォスターの元を訪ねました。30年ぶりの再会に難色を示すビルでしたが、その助言のおかげでハンク達はラボの位置を割り出すことに成功します。そしてゴーストの手から奪還しようとしたところで、現れたゴーストによって全員が返り討ちに遭い捕まってしまいました。

ゴーストは身動きの取れない3人に自身の正体を明かします。エイヴァ・スターと名乗る彼女は、父・アライアスがかつてハンクの助手だったこと、そしてハンクに追放されて量子実験に失敗した挙句、爆発で妻と共にこの世を去ったことを告白するのでした。そして、その爆発の影響でエイヴァは細胞が分裂と結合を繰り返す状態になってしまい、残された寿命が残り2~3週間となっていました。

かつてハンクの助手として量子世界の研究をしていたエイヴァの父エライアス ©︎2018 MARVEL STUDIOS

エイヴァの目的は、その治療の手がかりが量子世界にあると考え自身を引き取ってくれたビルと協力して、量子世界にいるジャネットからエネルギーを得ることだったのです。しかしハンクは、その方法ではジャネットの命に危険が及ぶことを指摘してエイヴァを助けることを拒否、芝居を打ってその場を脱出します。



初代アントマンのハンクが量子世界へ

エイヴァの手を逃れたハンク達が量子トンネルを起動させると、スコットの意識を乗っ取る形でジャネットが現われ自身の正確な位置を伝えます。救出までのタイムリミットは残り2時間でした。しかし準備を進める中、スコットの友人のルイス達がバーチに捕まってしまい、自白剤を打たれて3人の居場所がバレてしまいます。そしてバーチがFBIに通報したため、スコットは急いで自宅へ戻らなければいけなくなりました。

なんとかFBIが自宅に到着する前に家にたどり着いたスコットでしたが、ハンクとホープはFBIに逮捕され、さらに現れたゴーストにまたもやラボを奪われてしまいます。

©︎2018 MARVEL STUDIOS

FBIの監視をやりすごすことに成功したスコットは、ハンクとホープを脱出させてエイヴァを追跡します。エイヴァは奪ったラボの中でビルの助けによって今にも量子世界へ飛び込む準備を進めていました。そこへスコットは操ったアリでエイヴァを外に誘き出し、その隙にハンクは単身ラボに潜入、「戻ってきたら私もエイヴァの治療法を探す」と言ってビルを説得したハンクはついに量子世界の中に飛び込むのでした。



ジャネットを無事に救出、バーチの逮捕

スコットがエイヴァを誘き出して戦闘している隙に、ホープと救援に駆けつけたルイスがラボを縮小して奪い返します。そこへラボを狙うバーチも駆けつけ、カーチェイスが始まりました。スコットも隙を見て脱出、ホープ達の救援に向かいます。

一方、量子世界へ入ったハンクは、死んでしまったと思っていた妻ジャネットとついに再会しました。そしてジャネットは30年間も量子世界にいたことで「進化した」と言います。ハンクとジャネット、初代アントマン&ワスプは量子世界を後にするのでした。

再会を果たしたハンクとジャネット ©︎2018 MARVEL STUDIOS

現実世界ではバーチがラボを奪い、船に乗って逃亡を図りますが巨大化したスコットがそれを阻止します。バーチはその後ルイスに拘束されると自白剤を投与されて、駆け付けた警官たちに自らの裏稼業を白状して、逮捕されました。

エイヴァの治療、そして衝撃の結末。

エイヴァがスコット達からまたもやラボを奪取、そこに量子世界から帰還したハンクとジャネットが現れます。そしてジャネットは「進化した」ことで得た能力で、長年自身に蓄えられていた量子エネルギーをエイヴァに与えて一時的に症状を安定させました。ジャネットに感謝するとともに、単身逃亡生活を送ることを決めたエイヴァでしたが、彼女を見捨てられないビルは同行すると言って2人は行方を眩ますのでした。

そしてFBIを欺ききったスコットはようやく2年間の刑期を終えて軟禁から解放されます。ハンクとホープの元にはジャネットが戻り、スコットは娘のキャシーと自由な生活を送れるようになり物語はハッピーエンド…かに見えました。

数日後、エイヴァの治療に使う量子エネルギーを採取するために、ハンク、ホープ、ジャネット、そしてスコットは小型量子トンネルを積んだバンと外にいました。そしてスーツを着たスコットはジャネットらの指示のもと、単身量子世界へ入りました。そしてスコットは無事に量子エネルギーを回収し、ホープが帰還のためのカウントダウンを始めたその時、突如通信が切れてしまいます。

「冗談だろ?」とスコットが呼びかけるもホープ達の応答はなく、スコットは量子世界に閉じ込められてしまいました。その頃ハンク、ホープ、ジャネットがいるはずの地上では、彼らの名残と思わしき塵が舞っているのでした。

サノスのスナップの影響を受けた3人の運命は… ©︎2018 MARVEL STUDIOS



今後のために押さえておきたいポイント

  • ・ジャネットが行方不明になっていた原子よりさらに小さな量子世界。量子世界へ飛び込むスコットにジャネットは「時間の渦に巻き込まれないように」と忠告しているシーンがありますが、この「時間の渦」が今後のMCUでのキーワードになります。
  • ・『シビル・ウォー / キャプテン・アメリカ』から2年後を描いた今作は、『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー』の直前に起きている物語です。ラストで『インフィニティ・ウォー』の時系列に追いついてハンク、ホープ、ジャネットはサノスのスナップによって塵になってしまったのです。そして量子世界へ取り残されたスコットは『アベンジャーズ / エンドゲーム』で重要な鍵を握っています。
  • ・ゴーストことエイヴァの行方はわかっていませんが、今後のMCUで再登場する可能性もあります。
  • >・忘れがちですが、今回バーチが量子トンネルの技術に目をつけたのは「買い手」がいたからです。この「買い手」の正体は一切明らかにされていませんが今後のMCU作品で重要なキャラクターになるかもしれません。

MCU次の作品は『キャプテン・マーベル』です!

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