8月21日から対立関係にあったソニー・ピクチャーズとディズニー(MARVEL STUDIOS)が新たに契約を見直して再契約、MCU作品『スパイダーマン : ホームカミング』『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』に続く3作目となるスパイダーマン作品の製作が行われることが明らかになりました。
思ってたよりも早くこの日が来た、というのが率直なところ。いや〜ホントに良かった良かった。
今回の騒動の元々の発端は、この3作目の『スパイダーマン』作品に関する出資条件を巡ったもので、ディズニー側がこれまでの「公開初日の売り上げの5%がディズニーの利益」という契約条件を見直して「50 : 50の資本関係」にしましょうよ、と提案したことから始まりました。主力商品でもある「スパイダーマン」の利益を確保したいソニー・ピクチャーズはこれを拒否、これまでの契約条件で満足できないならもうMCUでスパイダーマンは使わせませんよ、となったわけです。
この発表を受けて、世界中のファンや関係者がソニーに対してスパイダーマンをMCUに戻すよう声をあげましたが、ソニー・ピクチャーズのCEO兼会長のトニー・ヴィンチケラは「(ディズニーとは)ドアがしまった状態」とコメント、スパイダーマンのMCU離脱は確定的な状態でした。
https://cinema-tronix.com/marvel-split-sony-has-5-6-spider-man-tv-shows-in-works/L
ですが、この度ソニー・ピクチャーズとディズニー(MARVEL STUDIOS)との間で新たに「ディズニーが製作費の25%を出資して、総利益の25%を得る」という条件で再契約が結ばれました。このことに対してMARVEL STUDIOS代表のケヴィン・ファイギ氏は喜びの声をコメントしています。
「MCUにおけるスパイダーマンの旅が続くことに感激しています。私、そしてMARVEL STUDIOSの誰もが、この仕事を続けられることをとてもうれしく思っています。スパイダーマンはパワフルなアイコンであり、ヒーロー。彼のストーリーは世界中の、あらゆる年齢の観客を横切っていきます。そして偶然にも、彼は複数のシネマティック・ユニバースを行き来するスーパーパワーを持つ唯一のヒーローでもあります。ソニーは独自のスパイダーバースの開発を続けているので、未来にどんな驚きが待っているのかまだ誰にも分かりません。」
気になるのは「複数のユニバースを行き来する」というこのコメント。つまりトム・ホランドが演じるこのスパイダーマンは、史上初めてMCU作品と『ヴェノム』などの「ソニー・マスパイダーマン・ユニバース」の両方に登場することになります。ソニー・ピクチャーズが新たに製作を発表した『マダム・ウェブ』が、トム・ホランド版ピーター・パーカーのソニーデビュー作になるのではないでしょうか。
この3作目となる『スパイダーマン』シリーズを監督するのは、これまで『スパイダーマン : ホームカミング』『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』の2作品でメガホンをとってきたジョン・ワッツ監督。まだソニーとディズニーの交渉が決裂する前、ジョン・ワッツ監督は『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム』で契約が切れていたので、3作目も続投するのかはわかっていませんでした。『ファー・フロム・ホーム』の衝撃的なラストから、その次回作を誰が監督するのはかなり大きな問題だっただけに、ジョン・ワッツ監督の復帰に世界中のファンは安心しているのではないでしょうか。
また、ジョン・ワッツ監督は2019年秋にテレビドラマ『オールド・マン』の撮影に入るため、『スパイダーマン』第3作の撮影はその後になりそうですね。
そして『スパイダーマン』3作目の公開予定日は2021年の7月16日であることが明らかにされていますが、これは2021年5月公開の『ドクター・ストレンジ・イン・ザ・マルチバース・オブ・マッドネス』と2021年11月米国公開の『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』の間、つまりMCUフェーズ4の作品になるということになります。
それにしてもDisney + とあわせてMCUフェーズ4はとんでもないボリュームですね…