巨匠マーティン・スコセッシ監督、再びマーベルを批判 ー 映画館の「テーマパーク化」を懸念

2週間ほど前、『タクシードライバー(1976)』や『キング・オブ・コメディ(1983)』といった名作を数々手がけてきた映画界の巨匠マーティン・スコセッシが、Empire Magazinenのインタビューを受けて「(マーベル映画は)映画ではない、最も近いのはテーマパークだ。感情的、心理的体験を観客に伝えようとする人間的な映画ではないね」と発言したことが世界中のファンや関係者の間で議論を呼びました。

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このことについてマーベルを代表する俳優ロバート・ダウニー・Jr.やサミュエル・L・ジャクソン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でおなじみのジェームズ・ガン監督もそれぞれの意見をコメントしています。

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そんな中、先日12日に行われたロンドン映画祭に最新作『アイリッシュマン』と共に出席したスコセッシ監督は再びマーベル作品について批判、前回の発言よりもより深くその言葉の真意について語りました。

「マーベル映画のようなテーマパーク映画は、また別の体験です。前にも言いましたが、あれは映画ではない別物。好きかどうかにかかわらず、それは別物であって我々はそれに侵されてはいけないと思っています。これは大きな問題です。劇場は、物語を語る映画の上映を強化すべきです。」

とは言え、スコセッシ監督は「テーマパーク映画」を完全に否定しているわけではないようです。

映画館がアミューズメントパークになりつつあります。それは素敵なことだし、良いことだと思いますよ。ですが、すべてが飲み込まれてしまってはいけない。ああいった映画を楽しむ人々にとっては良いことですし、彼らの仕事はすごいと思います。ただ、単純に私の仕事ではないということです。」

つまりスコセッシ監督の言い分としては、マーベル映画にはマーベル映画なりに良いところがある、だけどそういった「テーマパーク映画」ばかりでなく、自分の考える「価値のある映画」を今の映画館はもっと上映すべき、ということです。だとするとこれはマーベルに、というよりは現在の映画業界に対しての批判のようにも聞こえますね。

今回の会見でスコセッシ監督は、なぜ『アイリッシュマン』を映画館ではなくNetflixで配信することにしたのかについても語っており、そこからスコセッシ監督なりの、今後の映画業界を見据えた意見と厳しい現状が窺えます。
 

「観客と一緒に映画を観るのがとても大切なことなのは間違いありません。ですが、そこには問題もあります。我々は映画を作らなければならないんです。ある意味、すでに(テーマパーク映画を撮らない)我々には(映画業界に)十分な居場所がありません。様々な理由で、この映画を撮る余地はなかったんです。それでも、作品に干渉せず、撮りたい作品を撮っていいという企業が支援してくれたんです。ただし条件としては、ストリーミング配信になり、それに先がけて劇場公開をすることになるということでした。今回のプロジェクトにとって、これはチャンスだと考えました。」

現在の映画館では、スコセッシ監督の言う「テーマパーク映画」が頻繁に上映されています。スコセッシ監督は自身の考える「映画」と呼べる作品が劇場で上映されなくなりつつあることに危機感を抱いたうえで、あの発言をしたのでした。賛否はあると思いますが、とりあえずはスコセッシ監督の想いも汲んであげて。

マーティン・スコセッシ監督の最新作『アイリッシュマン』は2019年11月27日にNetflixで独占配信開始

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source : The Hollywood Reporter , The Guardians

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