MCUフェーズ4で公開されることが正式に明らかになった『Shang-Chi and the Legend Of Ten Rings(邦題未定)』。タイトルにもあるようにテロ組織「テン・リングス」が関わってくる内容であることは間違いありません。
本記事ではこのテン・リングスがどういった組織なのか、そしてこれまでMCUでどう関わってきたのかを振り返りながら解説しています。
テン・リングスとは
MCUではマンダリンをリーダーとしたテロ組織として描かれており、MCUの最初の作品『アイアンマン(2008)』で登場して以来その名前はそれ以降も度々登場してきました。
原作でのマンダリンはちょっとカンフーができるぐらいで、鉄を砕くようなパワーを持っているわけでもなく空を飛ぶこともない、いたって普通の人間でした。ただ優秀な頭脳をもつ科学者であり、そんな彼は偶然発見した宇宙船の中から10個の指輪を手に入れることになります。この10個の指輪は火や電撃を放ったり、精神操作や物質操作といったそれぞれ異なるパワーを秘めていて、その力を使ってマンダリンは世界征服を企むのでした。
マンダリンは持ち前の頭脳でリングを改良してアイアンマン以上のパワーを生み出すなど、トニーと同じくテクノロジーを使って戦うタイプの人物です。
『アイアンマン』との関わり
『アイアンマン』で初登場したテン・リングスは中東を拠点に活動するテロリスト集団でアジア地域の武力制圧を目論んでいました。スターク・インダストリーズのNo.2、オバディア・ステインは密かにテン・リングスと結託してトニーの暗殺を依頼していましたが、アイアンマンスーツ「マーク1」を完成させたトニーは反撃して無事に脱出するのでした。
この『アイアンマン』で登場したテン・リングスは、スターク・インダストリーズにとって取引先の1つにすぎませんでしたが、逆にテン・リングスもスターク・インダストリーズ以外の兵器製造会社と繋がりがあったことは自然なことと言えます。さらにトニーの作った最新兵器「ジェリコ」に興味を持っていて、拉致したトニーにジェリコを作るように要求したということは、そのための材料も確保していたということになります。
このことからテン・リングスは世界中から兵器を集めることのできる組織ということがわかります。
『アイアンマン2』との関わり
コミック「Iron Man 2 : Agents of SHIELD」でトニーは世界中のテン・リングスの残党を潰していました。そんなトニーへの報復として、テン・リングスは映画『アイアンマン2』に登場するイワン・ヴァンコ(ウィップ・ラッシュ)にモナコサーキットへのチケットを渡してトニーへの復讐を支持することにします。
『アイアンマン2』ではそれ以外目立った動きはありませんでした。
『アイアンマン3』との関わり
『アイアンマン3』が公開された時、ファンの間ではついにテン・リングスのリーダー、マンダリンが登場すると思われていました。ですがMARVEL STUDIOSは予想を裏切る展開を用意していました。
かつてトニーに侮辱された恨みを持つ研究者アルドリッチ・キリアンが、売れない役者トレヴァー・スラットリーを雇い、マンダリンの名前を利用してテン・リングスのリーダーを演じさせたのでした。キリアンはトレヴァーが演じるマンダリンと彼の研究している「エクストリミス」を利用してアメリカ政府を裏で操作しようとしていました。
疑問に思うのはこの時キリアンは本物のテン・リングスと面識があったのかということです。面識がなかったとすれば、勝手に自分たちの名前を使われているテン・リングスのメンバー、そしてマンダリン本人はそれを黙って見ていたということになります。
トレヴァーのその後
『アイアンマン3』でマンダリンを演じさせられていたトレヴァーはシーゲート・プリズンに投獄されます。『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』のBlu-rayに含まれているボーナス映像『王は俺だ』の中で、トレヴァーはそこで有名人としてまんざらでもない生活を送っている様子が描かれています。
ある日トレヴァーの元に本物のテン・リングスのメンバーがやってきて「お前を本物のマンダリンに会わせる」と言ってトレヴァーは連れ去られるのでした。
このことから本物のマンダリンは架空の人物ではなく本当に存在するということが明らかにされました。この後トレヴァーがどうなったのかはわかっていませんが、『シャン・チー』で登場する可能性があるかもしれません。
その後のテン・リングスとMCUの関わり
『アイアンマン3』以降パッタリと名前を聞かなくなったテン・リングス。『アイアンマン3』でのテン・リングスのテロ活動(正式にはキリアンによるもの)が大規模すぎたためにしばらく大人しくしていたのかもしれません。ですが裏ではしっかりと動いていました。
先日のSDCC 2019で『シャン・チー』が発表された時、監督のデスティン・ダニエル・クリットンは『アントマン』に伏線が隠されていたことを明かしました。それはダレン・クロスがイエロージャケットを発表した場にテン・リングスのメンバーが居合わせていたというものです。
他にも『スパイダーマン : ホームカミング』でトゥームス(ヴァルチャー)が武器を裏取引していた相手の中にテン・リングスがいた可能性もあります。『アントマン&ワスプ』ではソニー・バーチという闇の武器商人が「ピム粒子を欲しがっている買い手がいる」と言っていましたが、その相手こそテン・リングスだったのかもしれません。これにはノーマン・オズボーンだという説もありますが。
冒頭でも説明したように、マンダリンはトニーと同じくテクノロジーを使って戦うタイプの人物です。キリアンのエクストリミス、ダレンのイエロージャケット、トゥームスのエイリアンの技術が使われたハイテク武器、ピム博士のピム粒子。いずれも最新のテクノロジーが使われています。これらを欲しがって裏で動いていた可能性は高いのではないでしょうか。
本物のマンダリンはトニー・レオンが演じることが明らかになっています。
『Shang-Chi and the Legend Of Ten Rings(邦題未定)』は2021年2月12日公開予定