『アベンジャーズ / エンドゲーム(2019)』が約28億ドルとこれまでにない世界興行収入を記録し、史上最も成功した映画という快挙を達成したことは記憶に新しい出来事。MCU(Marvel Cinematic Universe)作品を製作するマーベル・スタジオは、今や世界で最も大ヒット作品を製作するスタジオとなりました。
この成功の背景には、MCU最初の作品『アイアンマン(2008)』からMCUの顔としてシリーズを牽引し続けてきたトニー・スターク(アイアンマン)役ロバート・ダウニー・Jrの存在が大きいことは言うまでもありません。ロバート・ダウニー・Jrは、それまであまり知られていなかったアイアンマンというキャラクターを一躍有名にし、2015年にはロバート自身ハリウッドで最も稼ぐ俳優としてランクインされたこともあるほど。ロバートがMCU、そして現代のポップカルチャーに与えた影響はとてつもなく大きいものでした。
そんなロバート演じるトニー・スターク(アイアンマン)は『アベンジャーズ / エンドゲーム』で自らの命を犠牲に地球を救いMCUを卒業、『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム(2019)』ではトニーが亡くなったことが及ぼした影響と師匠を失ったピーター・パーカーの成長が描かれています。
ですが最近ロバートは「僕としては武器を置いていますし、それでいいと思っています」とトニー・スターク役を卒業したことに満足している様子を見せる一方で、トニー・スタークが将来のMCUに登場する可能性について「どんなこともありえる」とその可能性を否定しなかったことが話題となりました。
ある情報筋によるとマーベル・スタジオは2代目アイアンマンとなる『アイアンハート』の企画を進行中とのことで、そこでAIという形でトニー・スタークを登場させることが検討されていると言われています。また、ロバートはMCUに復帰する場合『アベンジャーズ / エンドゲーム』以上のギャラを要求しているとのこと。
Forbesによるとロバートは『アベンジャーズ / エンドゲーム』で2000万ドル(約22億円)の基本給の他、ファースト・ドル・グロス契約(映画の売り上げに応じて給料をもらう契約)によってさらに5500万ドル(約60億5000万円)のギャラを手に入れています。ファースト・ドル・グロス契約を抜きにしても、今後ロバートがMCUに復帰するとなれば最低でも2000万ドル以上のギャラを支払わなければいけないということです。
実際ロバート主演の最新作『ドクター・ドリトル』は映画評論サイトRotten Tomatoesで18%とかなり酷評されており、1億7500万ドルの予算に対して現在の興行収入はおよそ3000万ドルと赤字が見込まれているという状態も、ロバートのMCU復帰の可能性を感じさせます。
ロバートはMCU作品最新作『ブラック・ウィドウ』でのトニー・スタークのカメオ出演やDisney +作品『What If…?』で声優として出演すると噂されていますが、どんな形であれトニーが登場することは多くのファンが望んでいることでしょう。ですが実際『アベンジャーズ / エンドゲーム』でのトニーの結末は、これまでのMCU全体での彼の役割を顧みてもこれ以上ない結末だったと思います。あれだけ盛大に見送られただけに、今後のMCUに復帰することはロバート本人としては戻り辛いのでは…
source : Rotten Tomatoes , Forbes , The Hollywood Reporter