トッド・フィリップス監督の独自の解釈によって「狂気の犯罪王子・ジョーカー」の誕生を描いたDCコミックス映画『ジョーカー』は、現在8億ドル以上の興行収入を記録しており、間違いなく今秋最も話題となった映画です。
※本記事は『ジョーカー』本編の内容に触れています。まだ本編をご覧になっていない方はご注意ください。
世界中の批評家は『ジョーカー』を単なるコミックス映画としてではなく、心理的なスリラー作品として評価しています。それもそのはず、ジョーカーことアーサー・フレックは、どんな状況でも突然笑ってしまう病気にかかっており、さらに重度の妄想癖を抱えています。『ジョーカー』鑑賞後、多く議論されるのはこのアーサーの妄想癖という設定によって、映画のどこが現実でどこがアーサーの妄想によるものなのか区別がつかない所にあるからです。
トッド監督はEmpireのインタビューの中で、『ジョーカー』における現実と妄想の区別について「確固たる見解」を持っていると答えました。
「(脚本家の)スコット・シルヴァーと『ジョーカー』の脚本を書き始めた時、我々は原作のコミックのことはよく知っていました。私は子供の頃にコミックを読んで、ジョーカーにはオリジン(起源の)ストーリーがないことを知ってたんです。(真実がわからないことが)この映画の楽しみの一つだと思うので、真実は言いたくありません。多くの人たちに、映画の真実を教えたことがあるんですが、みんな違った反応をするんです。(中略)みなさんの『ジョーカー』に対する様々な反応を見るのは楽しいんですよ。」
あくまでも『ジョーカー』の解釈は観客のそれぞれに委ねるといった姿勢を一貫するトッド監督。真実が監督の口から語られることはあるのでしょうか.
またトッド監督は同インタビューの中で「ホアキン(・フェニックス)とは続編についていつも話してます。だけど真剣に議論したことはまだないですけど」と、『ジョーカー』の続編の可能性が必ずしも無いわけではないことも明らかにしています。
source : Empire