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新型コロナウイルス問題を予期していたかのような映画『コンテイジョン』 ー 出演者らがコロンビア大学と協力して感染防止を呼びかける

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、最近とある映画が再び注目されています。それは『オーシャンズ11』シリーズで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督が手がけた『コンテイジョン(2011)』です。

本作は感染すれば数日で死んでしまう謎のウイルスが香港から世界中へ拡散していき、世界中が大混乱に陥るという内容ですが、作中で描かれている感染経路の調べ方「接触追跡(コンタクト・トラッキング)」や、インターネットやメディアで拡散される真偽の判断がつかない情報に人々が躍らされる様子などは、現在の新型コロナウイルスの影響による世界の情勢とソックリ。約10年前に公開された映画ですが、まるでこの事が起こることを予測していたかのような作品です。



現在執筆時点(2020年3月28日)で新型コロナウイルスの感染者数は全世界で59万人を超えており、うちアメリカでは10万人を突破、全世界の感染者数の17%に相当している事が発表されています。

この現状を受けてコロンビア大学の公衆衛生大学院は、『コンテイジョン』に出演していたマット・デイモン、ローレンス・フィッシュバーン、ケイト・ウィンスレット、ジェニファー・イーリーらと協力して感染防止を呼びかける動画を投稿しました。

それぞれが自己隔離や他人との接触機会を減らすことを心がけるよう伝えているほか、手洗いの重要性を強く訴えています。ケイト・ウィンスレットは最低でも20秒は石鹸で手を洗う必要があり、テーブルもしっかりと消毒しなければいけないと説明、ジェニファー・イーリーは差別に負けず、誤った情報を得ないようにする事が大切だと語っています。



またSlateでは、このタイミングで『コンテイジョン』の脚本を手がけたスコット・Z・バーンズ氏にインタビューを行っています。その中でバーンズ氏はCDC(アメリカ疾病予防管理センター)の職員や科学者らに綿密な取材を行っていた当時を振り返りながら、「”公衆衛生”の本当の意味を学んだ」と語りました。

「リサーチ中に学んだ素晴らしい事の一つは、”公衆衛生”の本当の意味ですね。僕は、それが”お互いに対する責任”であると理解しています。アメリカという国では分断が起きていて、僕は今こそ“橋を架けるべきタイミング”だと思っています。もし僕らが正しいことをするとしたら、それは隣人との違いにかかわらず、お互いの安全を守り続けることでしょう。それはなるべく人との接触を避けるということだし、頻繁に手を洗うということ。そして、もし病気なら家にいるということです。そういう行動が優れた第一歩になるんだと思います。薬学的、科学的な治療薬が作られるまでは、私たちが治療薬なんです。公衆衛生局からの言葉をよく聞き、全員の仲間である人々への義務を意識すること。そうすることで私たちが治療薬になり得るかもしれないんです。」

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source : Colombia University Mailman School of Public Health , Slate

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