「ロキよ、お前の最後のチャンスだ。――私とともに、地球を救え」
『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』は2013年に公開された映画(日本公開は2014年)で、ある『マイティ・ソー』シリーズの2作目にあたり、MCU(Marvel Cinematic Universe)の中では『アイアンマン3』に続く8作目になる作品となっています。
MCUでの位置付けはフェーズ2で、時系列は2作品前の『アベンジャーズ』の直後の話になっています。
制作費は1億7千万ドル、世界興行収入は6億4千万ドルでした。
※ここからは『マイティ・ソー / ダーク・ワールド』の内容を丁寧に解説してまとめています。もちろんネタバレありです。
主な登場人物
ソー / クリス・ヘムズワース
神の国アスガルドの王子で全能のハンマー「ムジョルニア」を武器に戦う。
クリス・ヘムズワースはオーストラリア出身で1983年生まれ。3児のパパ。
ジェーン・フォスター / ナタリー・ポートマン
ソーの恋人の天文物理学者。現在、ソーと超遠距離恋愛中。
ナタリー・ポートマンはイスラエル出身で1981年生まれ。ハリウッド女優には珍しい極度の貧乳で、ブラック・ウィドウを演じるナタリー・ポートマンは自分とのあまりのサイズの違いにショックを受けたとか!
ロキ / トム・ヒドルストン
ソーの義弟。『マイティ・ソー』と『アベンジャーズ』では敵だったが今作ではソーと共闘する。
トム・ヒドルストンはイギリス出身の1981年生まれ。意外に187cmと高身長!
オーディン / アンソニー・ホプキンス
神の国アスガルドの王でソーとロキの父親。今作で妻フリッガを失い、若干ご乱心気味。
アンソニー・ホプキンスはイギリス出身の1937年生まれ。日付と曜日を即座に計算できる特技を持っているらしい。
マレキス / クリストファー・エクルストン
ダークエルフの長で今作の敵。世界を暗黒の世界にしようと目論んでいるが過去にオーディンの父、ボーに阻止されている。
クリストファー・エクルストンはイギリス出身で1964年生まれ。マラソンが好きでプライベートでは数々のレースに出場しているらしい。
タリニーア・ティヴァン(コレクター) / ベニチオ・デル・トロ
惑星「ノーウェア」に住んでいて、珍しいモノを収集している。通称コレクター。今後の作品『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』では重要なキャラクターとして出てくる。
ベニチオ・デル・トロはプエルトリコ出身で1967年生まれ。アメリカとスペイン両方の市民権を取得している。
ストーリー解説
5000年前、ダークエルフとの戦争の末にアスガルドの地中に埋められたエーテル
5000年前。アスガルドや地球を含む9つの世界が一列に並ぶ「惑星直列」という現象が起きました。この現象は発生した世界の境目を通って別の世界に簡単に行き来が可能になるというもので、ダークエルフの長・マレキスはこのタイミングでインフィニティ・ストーンの一つ、エーテル(リアリティ・ストーン)を使って、宇宙を永遠の闇の世界にしようとしていました。
しかし当時のアスガルドの王であるオーディンの父・ボー率いるアスガルド軍がそれを阻止して、エーテルを奪い取る事に成功しました。マレキス達はどこかに逃げて、それからエーテルは地中深くに埋められることになります。
時は現代、再び惑星直列が起き始める
そして現代、『アベンジャーズ』の地球での戦いの後、テッセラクトと一緒にアスガルドに連れて帰られたロキは終身刑で地下牢に入れられていました。
ソーは仲間たちと一緒に、5000年ぶりの惑星直列の影響で混乱に陥った他の世界の戦争を止めるために戦っていました。
その頃地球ではソーの恋人ジェーンが友人のダーシーに連れられてロンドンに来ていました。そして惑星直列の影響で、世界の境目が不安定になっている廃墟を発見します。
そして時空の歪みに吸い込まれてしまったジェーンは、エーテルが埋められているアスガルドの地中深くに転移してしまい、その場に埋められていたエーテルと接触して自分の腕に吸収してしまいました。
ジェーンによって再び動き出すマレキス
その頃アスガルドでは、宇宙を監視していた番人・ヘイムダルがジェーンの気配が消えたことをソーに伝えると、ジェーンを心配したソーは地球に駆けつけてジェーンと2年ぶりに再会します。(『アベンジャーズ』の時ソーは地球には来たけどジェーンには会えていません)
しかしジェーンの腕に吸収されたエーテルが暴走、彼女の異変を知ったソーはジェーンをアスガルドに連れて行くことにします。そしてアスガルドでの調査で、ジェーンがエーテルを吸収してしまったことが判明しました。さらにエーテルは生物に寄生して宿主の生命力を吸収してしまうことも明らかになり、このままではジェーンの命が危ない…ソーは何としてもジェーンを救う決意をします。
一方、エーテルが吸収されたことで宇宙のどこかで眠っていたマレキスがエーテルの力を感じて目覚めてしまいます。エーテルを吸収したジェーンがアスガルドにいる事を知ったマレキスは、側近のアルグリムをアスガルドに送り込みました。
暴れまわるアスグリム、母フリッガの死
地下牢に潜り込んだアルグリムがカース状態に変身(カース・ストーンという石を握りつぶすことで凶暴な状態になる)して暴れまわる中、同じく地下牢にいたロキはアルグリムに秘密の抜け道を教えてしまいます。
その結果、アスガルドの奥地へとマレキスとアルグリムを侵入させてしまい、アスガルドの王妃フリッガは、殺されてしまいます。
ソーが駆けつけてマレキス達を撃退しますが母フリッガを守ることはできませんでした。そしてロキは間接的にとはいえ、自分の助言のせいで唯一自分のことを信頼してくれていたフリッガを死なせてしまったことを後悔していました。
フリッガの敵討ちのためソーとロキはダークワールドへ
ソーは、マレキスがジェーンからエーテルを取り出す隙をついてエーテルを破壊し、さらにマレキスを倒すという計画を立てます。
そして仲間達の協力もあってソーとロキはマレキスのいる世界・スヴァルトヘイムへ向かいました。しかし作戦は失敗、エーテルを破壊することは出来ずマレキスに吸収されてしまいます。
マレキスは宇宙船で脱出し、ソー達もそれを追おうとしますがカース状態のアルグリムに苦戦。しかしなんとロキが身を呈してソーを助け、さらに命と引き換えにアルグリムを倒します。
ソーは死んで黒ずんでいくロキに感謝の意を示してジェーンとスヴァルトヘイムを後にしました。
地球でマレキスとの決着
惑星直列の影響で地球に戻ったソーとジェーンは、セルウィグ博士(『マイティ・ソー』参照)と再会して時空の歪みを生み出す装置を作ります。
そして地球に来たマレキスと迎え撃つソーとの戦いが始まりました。ソーとマレキスは時空の歪みによって様々な世界を行き来しながら死闘を繰り広げます。そして最後はセルウィグ博士が作った装置でマレキスはスヴァルトヘイムへ飛ばされて自分の宇宙船の下敷きになって死亡するのでした。
王位よりも自由を選んだソーと王になったロキ
戦いの後、ソーはアスガルドに戻ってからオーディンに王位を勧められますが、「王位を継ぐことは自分には無理だ」と伝え自由を求めてアスガルドを去ります。
ソーを見送るオーディン、しかしそれは死んだと思われていたロキが化けていた姿でした!オーディンはどこに行ってしまったのか。その行方は今作ではわかっていません。
コレクターに預けられるエーテル
アスガルドの戦士シフ達は、エーテル(リアリティ・ストーン)を保管してもらうため惑星ノーウェアにいるコレクターのもとを訪れます。既にアスガルドには『アベンジャーズ』の戦いの後にソーが持ち帰ったテッセラクト(中にスペース・ストーンが入っている)が保管されていて、インフィニティ・ストーンを一緒にしておくのは良くないと判断したためです。
シフ達が去った後、コレクターは「これで1つ、残りはあと5つ」とインフィニティ・ストーン回収の野望を呟きました。
今後のために押さえておきたいポイント
- 今作で出てきたエーテルは形状こそ液体状ですが、これはインフィニティ・ストーンと呼ばれる全部で6つある石の1つリアリティ・ストーンです。『アベンジャーズ』に出てくるセプターにはマインド・ストーン、『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』 に出てくるテッセラクトの中にはスペース・ストーンが入っています。
- エーテルは惑星ノーウェアのコレクターの元に、テッセラクトはアスガルドに、そしてセプターは地球でS.H.I.E.L.D.によってそれぞれ保管されている状況です。
- ロキは実は生きていて、オーディンに代わってアスガルドの王座に君臨しました。オーディンの行方はわかっていません。