ヒーローになった男、トニー・スターク。次なる試練。
『アイアンマン2』は2010年に公開された映画で、全部で3部作ある『アイアンマン』シリーズの2作目、MCU(Marvel Cinematic Universe)作品の中では『インクレディブル・ハルク』に続く3作目の映画になります。
MCUの中での位置付けはフェーズ1で、『アイアンマン』から半年後の設定となっています。
制作費は2億ドル、世界興行収入は6億2千万ドルでした。
小ネタですが、モナコサーキットのシーンはモナコでの撮影が急遽一部不可能となったためにロサンゼルスに実際にセットを組んで撮影したそうです!さすがハリウッド…
※ここからは『アイアンマン2』の内容を丁寧に解説してまとめています。もちろんネタバレありです。
主な登場人物
トニー・スターク / ロバート・ダウニー・Jr
「スターク・インダストリーズ」CEOでアイアンマンの中の人。今作でCEOの座をペッパーに譲る。ペッパーに無惨なオムレツを3時間かけて作ってあげる優しさを持つ。
ロバート・ダウニー・Jrはアメリカ出身の1965年生まれ。8歳の頃からマリファナをキメる。
ヴァージニア・”ペッパー”・ポッツ / グウィネス・パルトロウ
トニーの秘書だが今作でCEO、そして彼女へと格上げ。実はイチゴアレルギー。
グウィネス・パルトロウはアメリカ出身の1972年生まれ。元カレはブラッド・ピットやベン・アフレックなど名だたる顔ぶれ。
ジェームズ・”ローディ”・ローズ / ドン・チードル
トニーの親友の空軍中佐。前作ではテレンス・ハワードが演じていた。前作でスーツを着て戦うトニーを羨ましがっていて、今作で念願のスーツ装着。
ドン・チードルはアメリカ出身の1964年生まれ。父親は精神科医、母親は教師。
イワン・ヴァンコ / ミッキー・ローク
ロシアの物理学者で今作の敵、ウィップラッシュの中の人。生身でも人間を殺せたり、コンピューターをハッキングできたりと物理学者以上のスキルフルな人物。オウムを飼育中。
ミッキー・ロークはアメリカ出身の1952年生まれ。元プロボクサーで愛犬家。5匹のチワワを飼っていたこともある。
ジャスティン・ハマー / サム・ロックウェル
軍需産業「ハマー・インダストリーズ」CEOだが、イラっとくる人間性の持ち主。トニーに対抗心を燃やしてヴァンコと手を組む。スターク・エキスポというイベント会場でクソダサいダンスを披露する。
サム・ロックウェルはアメリカ出身の1968年生まれ。未だ未婚。
ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ) / スカーレット・ヨハンソン
国際捜査機関S.H.I.E.L.D.のエージェントで今作は任務のためにナタリー・ラッシュマンと名乗っている。高い身体能力に加えて、コンピューターのハッキングも余裕でこなす。さらに英語、フランス語、イタリア語、ロシア語、ラテン語まで話せるハイパースペック。
スカーレット・ヨハンソンはアメリカ出身の1984年生まれ。2016年に発表された「史上最も興行成績をあげた女優」で1位に輝く。
ストーリー解説
トニーの父ハワードを恨む、ヴァンコ親子
かつてアメリカに亡命し、トニーの父親であるハワード・スタークの共同研究者を務めた事もあるロシアの元物理学者、アントン・ヴァンコが他界しました。
彼はハワードと一緒にアーク・リアクターの研究に携わっていた優秀な化学者でしたがスパイ容疑をかけられて強制送還された後シベリアに送られて貧しい生活を余儀なくされていました。そのことからアントンの息子、イワン・ヴァンコはスターク一族への恨みを募らせていきます。
リアクターの毒素で体が侵されていくトニー
トニーが自らアイアンマンであると公表した前作『アイアンマン』から半年後。「マーク4」を装着して世界各地で起こる紛争を鎮圧しながら世界平和に貢献しようとするトニーでしたが、政府からアーマーを兵器として見なされアーマーの引き渡しを要求されます。
トニーは要求を断固として要求を拒否、アイアンマンは世界を守る存在だと主張します。しかし一方でトニーの体はアーク・リアクターの動力源「パラジウム」が放出する毒素に蝕まれていました。
トニーは命あるうちに使命を全うすべく、スターク・インダストリーズCEOの座を秘書のペッパーに譲り、新たな秘書として法務部にいたナタリーをヘッドハンティングします。そして、後世に自身のテクノロジーを伝える博覧会「スターク・エキスポ」を開催しました。
イワンの襲撃。トニーが勝利するも世間からは批判
イワンは父が残していた設計図から独学で小型アーク・リアクターを作り上げ、それを動力源として動く武器「エレクトリカル・デス・ウィップ」を開発します。モナコでカーレースに参加中のトニーを急襲するも、「マーク5」を装着したトニーはそれを返り討ちに。
イワンは収監されることになりましたが、結果的にこの事件はアイアンマンと同等のテクノロジーが他に存在することを世間に知らしめることになります。
「トニー・スターク1人で世界を守れるのか」「政府にアーマーを渡せば良かったのではないか」
と世間から批判されることに嫌気がさしたトニーは、自宅で開催した自らの誕生会にアーマーを着て現れ、泥酔して大騒ぎするなど醜態をさらしてしまいます。
怒ったトニーの親友ローディは、彼を止めるためにトニーの自宅にあった「マーク2」を無断で装着して殴り合いのケンカをし、呆れてそのままマーク2を空軍に持ち帰ってしまいました。さらにペッパーもトニーに愛想をつかせてしまいます。
ハマーがイワンと手を組み無人戦闘マシン「ドローン」を造る
一方、スターク・インダストリーズのライバル会社であるハマー・インダストリーズの社長、ハマーが裏で手を回してイワンを脱獄させました。
ハマーは優れた科学者でもあるイワンと共に、遠隔操作式無人機「ドローン」を完成させます。
さらにローディが持ち帰ってきた「マーク2」に銃火器と装甲を付加した「ウォーマシン」に改造して、「スターク・エキスポ」の会場で発表しました。
決着、アイアンマンとウォーマシンによる共闘
毒素の進行が悪化して自暴自棄になるトニーの元へニック・フューリー(『アイアンマン』参照)が現れます。トニーがヘッドハンティングしたナタリーは実はS.H.I.E.L.D.のスパイ、ナターシャであることを明かすと共に、トニーに助言を与えました。
そしてトニーは父の遺品からヒントを得て新たなアーク・リアクターを作り出して体の治療に成功、イワンの企みを阻止するためにエキスポの会場に駆けつけます。
スターク・エキスポの会場で暴走するドローン達と戦闘を繰り広げるトニー。ナターシャが操られていたウォーマシンの洗脳を解いたことで、ローディも戦闘に加わります。
トニーとローディはドローン部隊を全滅させ、さらに乗り込んできたイワンも2人の連携プレーで見事に撃破。こうしてアーク・リアクターとアイアンマンのテクノロジーの悪用は防がれたのでした。
スターク・エキスポの騒動を解決させたトニーとローディは、アメリカ上院議員から勲章を授与されました。さらにトニーはペッパーとも無事仲直りします。
数日後、S.H.I.E.L.D.のエージェントであるフィル・コールソン(『アイアンマン』参照)がアズガルドの神・ソーの持つ魔法のハンマー「ムジョルニア」をニューメキシコ州の砂漠で発見します。この出来事がMCU4作目『マイティ・ソー』のプロローグへと繋がっていきます。
今後のために押さえておきたいポイント
- トニーの父親ハワードは、S.H.I.E.L.D.創設メンバーの一人だということが明らかになりました。さらにトニーがハワードの遺品を探るシーンでキャプテン・アメリカの盾のレプリカが出てくるシーンもあります。これは今後の作品『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』 に繋がる伏線です。
- S.H.I.E.L.D. のエージェント、ナターシャが登場しました。彼女は今後「ブラック・ウィドウ」としてアベンジャーズの主要メンバーとなっていきます。
- コールソンがニューメキシコの砂漠で見つけたハンマーは、次作『マイティ・ソー』の話に繋がっていきます。
MCUの次の作品は『マイティ・ソー』です!