これまでのMCUには多くのヒーローが登場してきましたが、最初期から登場していたハルクは『インクレディブル・ハルク(2008)』以降ソロ作品が製作されていません。アイアンマンやキャプテン・アメリカはこれまで3作品のソロ作品が公開され、ソーにいたっては4作目のソロ作品となる『マイティ・ソー / ラブ・アンド・サンダー』の公開も控えています。
なぜこれまでハルクには続編のソロ作品が製作されなかったのでしょうか。これにはハルクに関する複雑な権利の問題が背景にあります。
もともとハルクの映像化の権利はユニバーサル・ピクチャーズが保有しており、これまでマーベル・スタジオは『アベンジャーズ』シリーズのようなチームアップ作品にはハルクを自由に登場させることは可能でした。ですがハルクの新たなソロ作品を製作した場合、ユニバーサル・ピクチャーズとの間に結ばれている契約ではマーベル・スタジオ(ディズニー)が受け取れる利益はわずかだったため、これまでソロ作品は製作されませんでした。
ですがある情報筋によると、マーベル・スタジオとユニバーサル・ピクチャーズとの間で何らかの契約の変更が行われ、マーベル・スタジオがハルクを自由に使用できるようになったようです。これが本当だとすれば、ハルクの新たなソロ作品が製作される可能性もあります。
2019年11月に行われた東京コミコン2019に出席したハルク役のマーク・ラファロは、ハルクの今後についてこう述べていました。
「ちょうど先週、(マーベル・スタジオ代表の)ケヴィン・ファイギから連絡があって“もっとハルクのストーリーのアイデアはないか”って聞かれたんです。なので、“ええ、まだ描くべきストーリーはありますよ”って答えました。そして会いに来て、その話をしてほしいと言われているんです。今後のマーベル・ユニバースにハルクの居場所を探してみよう、って話になっていますよ。」
「Disney +」で配信予定のドラマ『シーハルク』は、ブルースのいとこジェニファー・ウォルターズがブルースの輸血によってハルクになってしまうという物語。現状はソロ作品よりもこちらに登場する可能性の方が高そうです。
ちなみにユニバーサル・ピクチャーズはハルク以外にネイモア・サブマリナーの権利も所有していました。DCコミックスの『アクアマン』とキャラが被っているため、ネイモアのソロ作品の製作は難しいと思いますが、『ブラックパンサー』、『ドクター・ストレンジ』の続編に登場するのではないかと噂されています。