クエンティン・タランティーノ監督の代表作の1つ『キル・ビル(2003)』に、出演者すら気づかなかったイースターエッグが含まれていました。タランティーノ監督作品の常連、マイケル・マドソンがCinemaBlendのポッドキャストの中で明らかにしました。
『キル・ビル』はユマ・サーマン演じる元殺し屋ザ・ブライドが、結婚式の最中に襲撃を受け全てを奪われたことから、黒幕のビルとその他4人の殺し屋への復讐を誓う物語。ルーシー・リューの片言の「ヤッチマイナー!」が当時日本でも大きな話題を読んだ作品です。
マイケルによれば『キル・ビル』にはタランティーノ監督のデビュー作『レザボア・ドッグス』のイースターエッグが含まれていたそう。タランティーノ監督は『キル・ビル』の10年以上前に公開していた『レザボア・ドッグス』の小ネタをどのように仕込んでいたというのでしょうか。
「ロンドンのプレミアで『キル・ビル』を観たとき、映画の後に一緒にいたクエンティンがレストランで、”見た?見た?”って言ってきたんです。僕が”何を?”って言ったら”ユマが埋葬されるシーンだよ、見た?”って言うから僕は”何を言っているのかわからない”と答えると、彼は”マイケル、カミソリだよ”って言ったんです。”それは君のだよ”って。”『レザボア・ドッグス』で使ったのと同じだよ。彼(マイケル演じるバド)は『レザボア・ドッグス』の時の小道具を持っていて、それをユマに渡して彼女はロープを切ったんだ”」
そのカミソリとは『レザボア・ドッグス』作中でマイケル演じるヴィック・ベガ(ミスター・ブロンド)が、警察官の耳を切り落とすという印象的なシーンで使われていたカミソリのこと。タランティーノ監督はこの小道具を使って「タランティーノ・ユニバース」のつながりを描いていたのでした。
タランティーノ監督の作品、「タランティーノ・ユニバース」とも言える作品群には何かしら共通点があることで有名です。代表的なのは「レッド・アップル」という架空の会社のタバコ。『パルプ・フィクション(1994)』や『キル・ビル Vol.2(2004)』、タランティーノ監督最新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019)』にまで様々なところに登場しています。
『パルプ・フィクション』でジョン・トラボルタ演じるヴィンセント・ベガが『レザボア・ドッグス』でマイケルが演じたヴィック・ベガの弟っていう裏設定も有名なイースターエッグですね。
ちなみにマイケルがタランティーノ監督に「なんで教えてくれなかったんだ?」と尋ねると「君が気づいて僕に聞いてくるのを待ってたんだよ」と答えたそう。10年以上前とはいえ監督の記念すべきデビュー作、マイケルなら遊び心に気づいてくれると思ったのでしょう。
source : CinemaBlend