※本記事は『フリー・ガイ』本編の内容について触れています。閲覧にはご注意ください。
あるゲーム世界で、とある出来事をきっかけに自分がモブキャラ(ゲームの背景キャラ)であると知ってしまった主人公ガイが、迫りくる危機からゲームの世界を救うために動き出す…
『デッドプール』シリーズなどでもおなじみのライアン・レイノルズ主演最新作『フリー・ガイ』がついに2021年8月13日より日米同時公開となりました。もともと2020年に公開予定でしたが、コロナ禍による度重なる延期を経て、全世界待望の公開を迎えた本作は海外メディアで早くも大絶賛の嵐。「今年こんなに笑った映画は初めてだ」(Deadline)という評価や、「人生に対して受け身な普通の男が、クールな女性に恋をして、自分の世界が思っていたものと違うということを教えてくれる作品」(Collider)と、本作がただのコメディ映画ではなく、優れたストーリーテリングを備えた映画であることが伝えられています。
また、本作には映画ファンを思わずクスリとさせる小ネタが満載で、なかでも印象的だったのはMCU(MARVEL CINEMATIC UNIVERSE)シリーズでスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)役を演じたことでおなじみのクリス・エヴァンスのカメオ出演。主人公ガイは、ゲームの盗作疑惑を証明すべく”証拠”を求めて海を渡ろうとするも、そこに最強の刺客「DUDE」が登場。圧倒的な力の前に万事休すかと思われたその時、ガイは手持ちのアイテムからキャプテン・アメリカの盾を出現させ、アベンジャーズのテーマ曲とともに防御に成功。「あれは僕の盾!?」とクリス・エヴァンスがガイのプレイを見守る全世界中のプレイヤー役の一人として登場するのでした。
そんな最高のカメオ出演はいったいどのようにして実現したのでしょうか。ETとのインタビューに答えたショーン・レヴィ監督によれば「撮影が始まる直前の時点では、物語の終盤でライアン演じるガイはレベルアップして、ポータルガンやグラビティガン、『フォートナイト』に出てくるユニコーンのメイスなど、クールな武器を使えるようになっていた」んだそう。ところがその設定を変えたのはディズニーによる21世紀フォックス買収がきっかけだったと言います。
撮影が開始される2019年3月にディズニーは21世紀フォックスを買収、21世紀フォックスによって製作が決まっていた『フリー・ガイ』は、ディズニーのもとで製作が行われることになりました。その時レヴィ監督は「最高のおもちゃ箱を手に入れていることに気づきました。」と当時を振り返っています。
「もし僕がガイだったら、夢にまで見たあらゆる武器を集められるとしたら、間違いなくライトセーバーを入れるでしょう。キャプテン・アメリカの盾も絶対に入れたい。そこで僕とライアンはディズニーに手紙を書いたんです。”こんにちは、ライアン・レイノルズとショーン・レヴィです。ご存知の通り、我々は『フリーガイ』を製作しています。あなた方(ディズニー)は私たちを(『フリー・ガイ』の権利)を所有しています。なのでディズニーを代表するアイテムを使わせてもらえませんか?”って。すると返事は”イエス”でした。僕たちが”すみません、どのアイテムのことを言っているんですか?”って確認すると”全部だよ。全部使っていいよ”って返事がきて、大喜びしましたね。」
しかも奇跡的だったのはこの報せを受けたライアンが偶然、Appleの番組『Defending Jacob』を撮影中だったクリス・エヴァンスと同じ街にいたということ。ライアンがクリスに「やあ映画スター。僕も君と同じ映画スター仲間だよ。僕の出演する映画に出てみないかい?」とメールしたところ、クリスは「10分で撮影して帰れるなら大丈夫かも」という条件で返事をしたそう。つまりあのクリスのカメオ出演は『Defending Jacob』の撮影の合間を縫って撮影された半ば勢いで撮られたシーンだったということ!ライアンの行動力とクリスのノリの良さによって実現したカメオだったのでした。
『フリー・ガイ』は全国で絶賛公開中
source : Deadline, Collider, ET