2020年8月5日、ディズニーは、実写版『ムーラン』を自社SVODサービス「Disney +」にて29.99ドルで配信リリースすることを発表しました。いわゆる「大型作品」としては初となる今回のデジタル配信という試みに対し、元々公開を予定していた全世界の映画館などからは猛反発の声が上がっています。
この度の『ムーラン』の配信対象となるのは新型コロナウイルスの感染拡大により映画館の営業再開が困難と見られているアメリカやカナダ、イギリスを含む西ヨーロッパ諸国、オーストラリア。ディズニーにとっては初のPVOD(プレミアム・ビデオ・オン・デマンド=早期動画配信)方式の配信であり、一度購入すればDisney +会員であるかぎりは無期限で視聴可能だといいます。
ここで疑問となるのはディズニーが今後もこの配信方式を採用していくのかということです。もし今後も映画館の営業状態が改善しなければ、ディズニーは新作映画をDisney +を介してリリースしていくのでしょうか。Murphy’s Multiverseがこの疑問をDisney +のヘルプセンターに問い合わせたところ、どうやらディズニーは今後もDisney +での配信の可能性を見据えていることを示唆する内容が返ってきたようです。
そこにははっきりと「今後プレミア・アクセス(Disney +におけるPVODの名称)ではより多くの映画をご覧になることができるようになります。」という答えが書かれています。
ディズニーは『ブラック・ウィドウ』や『エターナルズ』をはじめとするマーベル作品のほか、『ジャングル・クルーズ』や『ソウルフル・ワールド』といった注目作の公開が控えており、これらに関して現時点では劇場公開予定であると発表されていますが、今後の映画館の状況によってはDisney +でのリリースへと移行していく考えもあるのでしょう。
ディズニーのCEOボブ・チャペック氏が「新しいプレミア公開の方法を設計しようとしています」と語るとおり、今回の『ムーラン』のPVODがディズニーにとって将来的な展開に向けての取り組みであることは間違いありません。今後のディズニー、そして映画館側との関係性にも注目です。
source : Murphy’s Multiverse