2019年に公開されたディズニーの実写映画『アラジン』は、アラジン役にメナ・マスード、王女ジャスミン役にナオミ・スコット、そしてランプの魔人ジーニー役にウィル・スミスを迎え、世界興行収入は10億ドルを突破、ディズニー実写映画の中では4番目に高い興行収入を記録しました。
間違いなく2019年の大ヒット作の1本と言える本作ですが、主演のメナ・マスードはDaily Beastのインタビューの中で自身が『アラジン』以降オーディションを受けていないことを告白、大ヒット作品に出演することで必ずしもオファーが殺到するわけではないことを説明しました。
「このことを黙っているのに疲れました。『アラジン』のような作品に出演すれば常に人生はバラ色という風にはならないってことを皆さんに知ってほしいんです。”彼は数百万ドルも稼いだに違いない”、”彼にはオファーが殺到しているに違いない”、全くそんなことありません。『アラジン』以降一度もオーディションを受けてないんです。」
メナが初めて『アラジン』を観たのは生まれ故郷のエジプトで、彼がまだ赤ちゃんだった頃。2人の姉がジャスミンのことが大好きだったこともあり、ジーニーのことや魔法の絨毯のこと、そして主題歌の「A Whole New World」はメナが歩き始める前からずっと流れていたそうです。
そんな環境で育ったメナは見事にアラジン役を勝ち取りましたが、オーディションに参加した時、待機部屋にいたのは全てが白人の俳優だったそう。かねてよりメナは、テロリスト役など有色人種に与えられそうな”ネガティブなイメージ”ではない役を勝ち取ることを目標にしていました。メナは有色人種の俳優は白人の俳優に比べて、役を選べず活躍するチャンスが少ないという現状を受け止めたうえでこのように語っています。
「僕はまだ若い俳優なので、今後もキャスティングしてもらえなかったり過小評価されるんじゃないかって思っています。この10年もの間、僕は”期待の俳優”と言われて活動してましたが、多くの人が『アラジン』で初めて僕のことを知ったんじゃないかと思います。そしてこれからもそういうイメージで見られるのかもしれませんね。僕はそのイメージを覆すような仕事をしないといけません。」
「今後のキャリアについてどう考えていますか、という質問を受けました。ですが、(『アラジン』のあと)特に大きな出来事もないのが現実なんです。僕のことを見つけてもらえるのか、これからどうなるのかはまったく分かりません。どうすればうまくいくのかをお話しすることなんてできませんよ。」
「僕としては”『アラジン』は10億ドルの大ヒットですよ?せめてオーディションだけでも受けさせてもらえませんか?”という感じなんです。“バットマン役はどうですか?”みたいなことを望んでいるわけじゃないんです。せめて(オーディションの)部屋に入れてもらえませんか?チャンスをいただけませんか?ってことなんです。」
source : Daily Beast