映画界に映像革命をもたらしたSF映画『マトリックス』シリーズの最新作『マトリックス4(仮題)』が現在ベルリンで製作中ですが、本作には前シリーズで登場していたエージェント・スミスは登場しないということがスミスを演じるヒューゴ・ウィービング本人の口から語られていました。ですが本来は『マトリックス4』にもしっかりと登場する予定だったようです。
エージェント・スミスは仮想空間マトリックスに侵入してきた人間や命令に従わなかったプログラムを削除するなど、言わばウイルスバスターのような存在。シリーズを通してキアヌ・リーブス演じるネオと戦いを繰り広げた『マトリックス』シリーズの裏の顔とも言えるエージェント・スミスですが、復帰はなぜ実現しなかったのか…その理由をヒューゴがComingsoon.netで明かしています。
ヒューゴによると、監督のラナ・ウォシャウスキーから『マトリックス4』についての連絡を受けたのは2019年初頭のこと。「僕らは『Vフォー・ヴェンデッタ(2005)』『クラウド・アトラス(2012)』そして3作の『マトリックス』シリーズの計5回一緒に仕事してきました。ですからラナは私がマトリックスに関わることをすごく熱望してくれていたんです。キアヌとキャリー(=アン・モス)、そして僕のほか、古い顔なじみ数人との脚本の読み合わせもやりましたね。」
ヒューゴがこう語っているあたり、当時の脚本にはエージェント・スミスが登場するシーンがあったと思われます。なおその脚本を読んだ時のヒューゴの印象は「大好きなところがたくさん、わからなかったところがいくつかあった」と言います。「最終的に僕らは話し合いをして僕は次の日、ラナに”イエス”と言いました。」
ところがヒューゴは2020年1月から3月までイギリス・ロンドンにて舞台の出演が決まっており、そのため2019年11月から4月までヒューゴのスケジュールは押さえられていました。ラナはヒューゴに2020年の2月から5月まで撮影に参加して欲しいと考えていたためスケジュールが被っていたのでした。
「僕のシーンは2020年の5月、6月、7月に撮れると思っていました。実際にお金の話や契約の交渉をして、話をまとめて、日程的にも同意したんです。僕はこれですべてうまくいったと思ったんですが、後になって、ラナはそれではうまくいかないと思ったようで。彼女が交渉から降りて、それで終わりでした。僕の舞台の仕事は、彼女が考えていた予定にうまく合わなかったんだと思います。」
約4ヶ月もの撮影が予定されていたということを考えるとヒューゴ演じるエージェント・スミスの役割は相当大きなものだったことが伺えます。その後新型コロナウイルスにより『マトリックス4』の撮影は延期、さらに予定していた舞台の仕事も中止となってしまいました。もし『マトリックス4』へ出演していれば…そんな後悔の気持ちを含めヒューゴはこのようにコメントしています。
「ベルリンで彼らと一緒にいられないのは残念ですよ。だけど、それはラナの判断ですからね。彼らがサンフランシスコで撮影を始めて、シカゴに移って、それからベルリンに行って、そこで中断になったということは知っています。今はもう撮影を再開していますよね。どうなっているのかまではわかりませんが、一緒にやれていたら楽しかったでしょうね。キアヌやキャリーのことは大好きだし、しばらく会っていないですから。」
『マトリックス4(仮題)』は2022年4月1日に公開予定
source : Comingsoon.net