2020年5月31日(現地時間)イーロン・マスク率いる宇宙開発企業Space Xが、民間企業として初の有人宇宙飛行に成功しました。Demo-2と呼ばれる今回の打ち上げは、Falcon 9(ファルコン9)ロケットを使用してCrew Dragon(クルードラゴン)という宇宙船が人類を輸送できることを証明するという重要なミッションを担ったもの。まずは打ち上げの様子をコチラから確認してください。
今回飛行に参加したのは宇宙飛行士のダグ・ハーリーとボブ・ベーンケンの2人。映像を見る通り、2人が着用している宇宙服は従来の宇宙服のデザインとは異なり、スリムでより近未来的な印象を受けます。なんとこの宇宙服をデザインしたのは、DCコミックスやマーベル・スタジオの数々のヒーローだけでなく、アーティスト「ダフト・パンク」など数多のコスチュームを手がけてきたハリウッドを代表するコスチュームデザイナーのホセ・フェルナンデス。フェルナンデスがSpace Xの宇宙服をデザインすることになった経緯をForbesが明かしています。
フェルナンデスがSpaceXの宇宙服をデザインするきっかけになったのは2016年のこと。その時SpaceXが開催した宇宙服のデザインコンペに参加してほしいとフェルナンデスにオファーしたと言います。
コンペに参加したフェルナンデスは当初SpaceXのことをよく知らず、そのデザインコンペが映画のためのものだったと思い込んでデザインを手がけたそう。結果、フェルナンデスのデザインしたヘルメットを気に入ったイーロン・マスクはフェルナンデスに宇宙服の設計をオファー、『バットマン vs スーパーマン(2016)』にて”バットマン史上最も首回りが動かしやすいスーツ”を手がけたという設計力を活かし、数年がかりで機能性にも優れた新たな宇宙服を完成させました。なお設計の際、イーロン・マスクはフェルナンデスにこのように語っていたと言います。
「彼(イーロン・マスク)はいつも”タキシードが似合う人は、どんな形のどんな大きさのものでも似合う”と言っていました。そしてこの宇宙服を着た人は、むしろ着ていない時よりもタキシードのように見栄えが良くなることを望んでいたんです。」
ハリウッドのデザイン性と技術は宇宙事業にも活かされることになったのでした。今後はこのようなデザインの宇宙服が主流になっていくのかもしれません。なお、SpaceXはトム・クルーズが宇宙で映画を撮影する新プロジェクトをNASAと共同で進めている最中。こちらでトムが着用する宇宙服のデザインにも注目したいですね。
source : Forbes