去年『スター・ウォーズ』シリーズ初のドラマ作品『マンダロリアン』が配信され、高い評価を得ていますが、なんとその15年以上も前にすでにドラマ作品の計画があったことが明らかになりました。
企画されていた当時のシリーズ名は『Star Wars: Underworld』。そしてこの作品の脚本家の1人として参加していた『GALACTICA / ギャラクティカ(2003~2009)』のロナルド・D・ムーアはColliderのインタビューのなかで、当時のこの企画についてこのように振り返っています。
「私は世界中から集められた数人の作家のうちの一人でした。6〜8週間に一度、スカイウォーカー・ランチ(ルーカスフィルムの本社)に集まって、一緒に物語を深めあっていました。そのあと(帰って)すぐに下書きを書いて持ってきては、ジョージ(・ルーカス)と一緒に座って批評して、また下書きをしては、さらに物語について深めあって…すごく最高でした。とても楽しかったですね。最終的には実現しませんでしたが、私たちが書いた脚本は40〜48本くらいあったと思います。」
通常、テレビ番組を製作する段階で40本以上の脚本を書くことはありませんが、ルーカスにはこれまでのテレビ番組の概念に捉われないような明らかに大規模なストーリー構想があったようです。
「誰がやるにしても並大抵の仕事ではなかったと思います。誰か引き受けられる人がいるのかわかりませんね。当時ジョージから、”好きなだけ、規模が大きいものを書いてくれ。あとのことはそれから考えよう”って言われました。私たちはみんな、テレビや映画での経験がある脚本家だったので、(通常は)製作費の面で実現可能なものを書くことを考えます。ですが今回は”彼の言葉をそのまま信じて、クレイジーで大スケールな作品を書こう”と思いました。ですからアクションもセットも、派手な見せ場もたくさんあるような作品にしました。普通のテレビ番組よりもずっと大規模でしたね。」
この企画は『スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐(2005)』から『スター・ウォーズ エピソード4 / 新たなる希望(1977)』の間に起こった出来事を描くものであったと伝えられており、ムーアによれば膨大な数の脚本を元に「エピソードごとに何か出来事が起きるように設定されている長い物語」を描く予定だったと言います。
そして脚本を書き上げた後、ルーカスは「よし、ここまでにしておこう。製作のことを全部調べたいからまた連絡する」と言い残し、その1年後にルーカスフィルムをディズニーに売却してしまったのでした。実現の機会を失ってしまった『Star Wars: Underworld』の企画がいつか再始動することはあるのでしょうか。
source : Collider