「なぜ彼は、世界最初のヒーローと呼ばれたのかー。」
『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』は2011年に公開された映画で、全部で3作ある「キャプテン・アメリカ」シリーズの1作目であり、MCU(Marvel Cinematic Universe)の中では『マイティ・ソー』に続く5作目の作品となっています!
MCUの中での位置付けはフェーズ1、時系列はこれまでの作品とは違って第二次世界大戦中が舞台になっています。MCU作品の中では一番古い時系列での物語なので、今作から観てもいいと思います。
制作費は1億4千万ドル、世界興行収入は3億7千万ドルでした。
小ネタですが、ロシア、韓国、ウクライナではアメリカ色が強いタイトルを避けて『ザ・ファースト・アベンジャー』というタイトルで公開されたそうです!
※ここからは『キャプテン・アメリカ / ザ・ファースト・アベンジャー』の内容を丁寧に解説してまとめています。もちろんネタバレありです!
主な登場人物
スティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ) / クリス・エヴァンス
元々はひ弱で兵士には全く向いてなかったが、スーパーソルジャー計画の被験者になり、超人的な肉体を得た。
クリス・エヴァンスはアメリカ出身の1981年生まれ。『キャプテン・アメリカ』の前に『ファンタスティック・フォー』の「ヒューマン・トーチ」役ですでにMARVELデビューしている。
マーガレット・エリザベス・”ペギー”・カーター / ヘイリー・アトウェル
通称”エージェント・カーター”。スティーブの長官で女性差別が嫌い。後のS.H.I.E.L.D.創設メンバーの1人になる。
ヘイリー・アトウェルはイギリス出身の1982年生まれ。アメリカとイギリス両方の市民権を取得している。
ジェームズ・ブキャナン・”バッキー”・バーンズ / セバスチャン・スタン
スティーブの親友でスティーブよりも一足先に兵士に選ばれる。名前が長いのでとりあえず「バッキー」とだけ覚えておけば大丈夫。
セバスチャン・スタンはルーマニア出身の1982年生まれ。ロバート・ダウニー・Jr やナタリー・ポートマンも参加していた俳優養成キャンプに通っていた。
ヨハン・シュミット(レッド・スカル) / ヒューゴ・ウィービング
ナチスの極秘研究部門「ヒドラ」の長官。未完成の超人血清を自分に打ってレッド・スカルになる。テッセラクトの力で世界征服を企む。
ヒューゴ・ウィービングはナイジェリア出身の1960年生まれ。国籍はオーストラリア。この人は『マトリックス』の「エージェント・スミス」のように敵役が本当によく似合うと思う。
ハワード・スターク / ドミニク・クーパー
軍需産業「スターク・インダストリーズ」の社長で、後のトニー・スタークの父親。そして後のS.H.I.E.L.D.創設メンバーの1人。
ドミニク・クーパーはイギリス出身の1978年生まれ。『マンマミーア!』にも出演していた。
エイブラハム・アースキン / スタンリー・トゥッチ
スーパーソルジャー計画のメイン、超人血清の製造方法を知る唯一の科学者。時系列的にはこの超人血清が後の『インクレディブル・ハルク』にも関わってくる。
スタンリー・トゥッチはアメリカ出身の1960年生まれ。個人的にかなり多くの映画で見かける気がする俳優の一人。最近だと『トランスフォーマー』シリーズとか。
ストーリー解説
秘密組織ヒドラがテッセラクトを奪う
時代は第二次世界大戦中の1942年。ナチスの将校ヨハンの部隊がノルウェーを侵攻して、強大なパワーを持つテッセラクトを奪いました。さらに部下のアーニム・ゾラ博士の協力で、このエネルギーを使った最新兵器の製造に着手します。
そしてアメリカのアースキン博士のもとへスパイを送り込みました。なぜならアースキン博士は「超人血清」(『インクレディブル・ハルク』参照)の製造法を知る唯一の科学者だったからです。
キャプテン・アメリカの誕生
同じく1942年のニューヨークでは愛国心の強いスティーブが、軍への入隊を志願しますが貧相な体格と生まれつき病弱な体質から不合格となっていました。そんな中親友のバッキーと出会います。そして一緒に未来技術の展覧会に行った先で兵士の募集が行われていました。スティーブは最後の運試しで入隊を申し込みます。
「スーパーソルジャー計画」の被験者を探していたアースキン博士は、勇気と正義感のあるスティーブに可能性を感じ、スティーブは「スーパーソルジャー計画」の被験者に選ばれました 。
アースキン博士やハワード・スターク、ペギー・カーターが見守る中、スティーブは超人血清を打たれ、実験は見事に成功。スティーブは超人的な肉体を持った兵士に生まれ変わりました!
しかしその直後、潜り込んでいたヨハンのスパイによってアースキン博士は殺され、超人血清のサンプルを持ち去られてしまいます。
超人血清の製法を唯一知るアースキン博士が死んでしまったことで、スーパーソルジャー計画は凍結されてしまいスティーブは唯一の超人兵士となりました。しかし軍は「個として強い兵士」ではなく「群として強い軍隊」を求めていたのでスティーブを戦場へは出さずに、「キャプテン・アメリカ」というマスコットキャラクターとして活動させていました。
一方でスティーブは他の兵士達から自分がただの見世物として扱われていると馬鹿にされてしまいます。
作戦中にバッキーが捕虜に。そしてレッドスカルとの戦闘
そんな中、スティーブは親友バッキーの所属する部隊がヒドラによる襲撃を受けて捕虜になっているとの知らせを受け、ペギーとハワードに協力してもらい、1人でヒドラの秘密基地へと乗り込みました。
基地を破壊してバッキー達と共に脱出する最中にスティーブはヨハンと遭遇しますが、ヨハンはアースキン博士から奪った超人血清の副作用でレッドスカルとなっていました。レッドスカルは言わばキャプテン・アメリカの失敗作だったのです。
レッドスカルは一時撤退、スティーブは無事にバッキー達を救出して帰還したことで世間から英雄として認められていきます。勢いに乗ったスティーブはバッキーを含む少数精鋭の部隊を結成して、ヒドラの秘密基地を次々に壊滅していきました。
バッキーが行方不明に。レッドスカルとの死闘
しかしある時、スティーブ達はヒドラの科学者アーニム・ゾラ博士が乗った列車を攻撃しますが、ゾラ博士の反撃でバッキーは谷底へと落とされてしまいます。親友を失った悲しみに暮れるスティーブでしたがペギーに支えられて立ち直り、世界を救うため最後のヒドラの基地へと向かいました。
正面から乗り込んだスティーブを囮にして部隊が強襲。一気に基地を壊滅へと追い込みましたが、レッドスカルはテッセラクトを原動力にする飛行機ヴァルキリーで脱出、ニューヨークを攻撃しようとします。
スティーブは離陸するヴァルキリーに乗り移ってレッドスカルと死闘を繰り広げ、結果ヨハンは暴走したテッセラクトの力で別の惑星へ飛ばされてしまいました。
スティーブは制御不能になったヴァルキリーを止めるために自分もろとも北極に沈めることを決意します。この時ペギーと無線で「土曜にクラブで会う」約束をしますが、それは叶わないことをスティーブは悟っていました。
スティーブとテッセラクトの行方
その後ハワードによってスティーブの捜索がおこなわれましたが、結局スティーブは見つかりませんでした。その代わりに海中からテッセラクトを発見して回収し、後の組織S.H.I.E.L.D.によって保管されます。
スティーブが消息を絶って間もなく第二次世界大戦は終結し、世界は平和を取り戻しました。
そして70年後の現代。北極で氷漬けになった飛行機と氷漬けになったスティーブが発見され、S.H.I.E.L.D.の基地で治療されました。
目を覚ましたスティーブは、変わり果てたアメリカに驚愕します。そしてS.H.I.E.L.D.長官のニック・フューリーからアベンジャーズへの参加の話が持ちかけられます。
今後のために押さえておきたいポイント
- スーパーソルジャー計画の中核となる「超人血清」ですが、これは時系列的に後の作品になる『インクレディブル・ハルク』で出てくる物と基本的には同じです。ただ今作でアースキン博士が殺されてしまって、正しい製造法がわかっていなかったためにハルクが生まれてしまいました。
- テッセラクトは前作の『マイティ・ソー』に出てくる氷の巨人達のパワーの源になる「古の冬の小箱」の中身です。ではなぜそれが地球にあるのか。それはオーディンが地球に訪れた際に箱の中のテッセラクトだけ置き忘れてきたそうです(理由は明らかになっていません)。つまり前作『マイティ・ソー』でアスガルドに保管されていた時点の箱の中には何も無かったのです。
- スティーブといい感じの関係になったペギーもハワード同様に後のS.H.I.E.L.D.創設メンバーの1人になります。スティーブが長い眠りから目覚めた時、ペギーの姪っ子のシャロン・カーターがスティーブに声をかけるシーンがありますが今作ではシャロンについては特に語られません。
MCU次の作品は『アベンジャーズ』です!