『007』シリーズのダニエル・クレイグや『アベンジャーズ』シリーズでおなじみのクリス・エヴァンスを含む豪華俳優陣で贈る傑作ミステリー映画『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』が日本でも1月31日に公開されました。ひとクセもふたクセもある個性的なキャラクター達に加え、テンポよく進むストーリー展開、そして最後に観客に突きつけられる結末…伝説のミステリー作家アガサ・クリスティーに捧ぐ作品と言うだけあってその構成は見事の一言。
本作で監督を務めたライアン・ジョンソン監督は、ラストに関するある重要なシーンが実はアドリブで生まれたものであることをEmpireのPodcastの中で明らかにしました。
※本記事は『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』本編に関する内容に触れています。まだご覧になっていない方はご注意ください。
そのシーンとは映画のラストで、真犯人がランサムであることが明らかになり警察に連行されるシーンにあったそうです。このシーンでは物語の中心人物である看護師のマルタが、屋敷の2階のバルコニーから紅茶を飲みながらその様子を見ている様が描かれています。
この時マルタが手にしているマグカップは、映画の冒頭で屋敷の主ハーラン・スロンビーが愛用していたマグカップでした。これは「My House, My Rules, My Coffee(私の家、私のルール、私のコーヒー)」と書かれたそのマグカップを手に紅茶をすするマルタが、ついに屋敷と財産を勝ち取ったということを意味しており、冒頭で一瞬紹介されたマグカップの伏線を回収した見事な演出でもありました。
ですがこのシーンこそ撮影現場で偶然生まれたものだったとライアン監督は言います。
「アクシデントと言いますか、まあ嬉しいアクシデントですね。最後のシーンでマルタが紅茶を飲むっていうのは最初から決めていました。ですが”My House, My Rules, My Coffee”の言葉は映画の最初に出すだけのものとして考えていたんです。(中略)最後のシーンの撮影中、バルコニーに立った(マルタ役の)アナ・デ・アルマスに紅茶を飲むように指示を出しました。するとマグカップに書かれた”My House, My Rules, My Coffee”の文字がフレームに収まっていたんですよ。これは最高だって思いましたね。」
現在ライアン監督は続編の製作についても意欲的とのこと。ダニエル・クレイグ演じる名探偵ブノワ・ブランの新たな活躍に期待したいですね。
『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』は全国で公開中