2008年の『アイアンマン』から11年にわたって紡がれてきたMCUという巨大なシリーズは今や世界で最もヒット作品を生み出すシリーズとなりましたが、2014年に公開された『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は公開される前までは「リスク」と考えられていました。なぜなら日本はもちろん、本国アメリカでも知名度の低いキャラクターだったからです。
ですが監督を務めたジェームズ・ガンは彼らを見事に描きあげ、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は7億7000万ドルを超える世界興行収入を記録、今ではMCUの中でも大人気のシリーズとなっています。その成功の秘訣はガン監督が劇中に使用した楽曲にあると言っても過言ではないでしょう。
先日ガン監督は、自身のInstagramで「2010年代に最も売れたレコードアルバム」と題した投稿をアップ、その中で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のサウンドトラックが3位にランクインされていることを明らかにしました。
最も売れたのはビートルズの『Abbey Road(邦題 : アビィ・ロード)』、そしてピンク・フロイドの『Dark Side of the Moon(邦題 : 狂気)』が続きます。ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『Legend(邦題 : レジェンド)』やエイミー・ワインハウスの『Back to Black(邦題 : バック・トゥ・ブラック)』といった世界的な名盤が名を連ねる中、映画のサウンドトラックがそれらを抑えて3位にランクインしたということがいかに凄いことかおわかりいただけるのではないでしょうか。
ガン監督はノーマン・グリーンバウムの『Spirit in the Sky』、レッドボーンの『Come and Get Your Love』、ブルー・スウェードの『Hooked on a Feeling』、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレルの『Ain’t No Mountain High Enough』といった60年代、70年代の名曲の数々をコミックス映画という現代のポップカルチャーにセンス良く折り込み、若い世代を中心に多くの観客に紹介しました。
主人公のピーター・クイルが大切にしているのは母の形見のウォークマン。ガン監督にとって音楽というのは映画作る上で必要不可欠な要素なのでしょう。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3』ではどんな音楽が使われるのか今から楽しみでしょうがありません。ちなみに僕は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー : リミックス』のラスト、ヨンドゥの葬式のシーンで流れるカット・スティーブンスの『Father and Son』でいつも号泣しています。