MCU(MARVEL CINEMATIC UNIVERSE)でおなじみのキャラクター、ドクター・ストレンジ。『ドクター・ストレンジ(2016)』で初登場して以来、『アベンジャーズ / インフィニティ・ウォー(2018)』、『アベンジャーズ / エンドゲーム(2019)』にて重要な役割を担ってきました。演じているのはドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』をはじめ数多くの映画やドラマで活躍する実力派俳優ベネディクト・カンバーバッチですが、企画当初はカンバーバッチ以外にも多くの俳優が検討されていました。
ドクター・ストレンジことスティーブン・ストレンジは、傲慢ながら天才的な技術を持つ天才外科医。ある日交通事故によってキャリアを失ったストレンジは、”至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)”であるエンシェント・ワンと出会い、魔術師として生まれ変わるのでした。
当初カンバーバッチはストレンジ役の候補の上位に挙がっていましたが、カンバーバッチは他の作品の撮影予定スケジュールと重なっていたため、マーベル・スタジオは他の俳優へと目を向けました。その時候補のトップに挙がっていたのが『ジョーカー(2019)』でおなじみのホアキン・フェニックスでした。当時のフェニックスはポール・トーマス・アンダーソン監督の『ザ・マスター(2012)』でアカデミー賞にノミネートされ、スパイク・ジョーンズ監督の『her / 世界でひとつの彼女(2013)』でもゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされるなど高い評価を得ていました。一時はフェニックスが出演交渉中である噂され、SDCC(サン・ディエゴ・コミックコン)に出演するとまで考えられていました。
ですが最終的にはフェニックスは交渉から外れました。ストレンジを演じるために複数のMCU作品に出演する契約を結ばなければいけなかったことが理由のひとつとも言われており、マーベル・スタジオはカンバーバッチのために『ドクター・ストレンジ』の撮影を延期することにしました。
なお、フェニックスを断念してカンバーバッチを主演にすると決める間、マーベル・スタジオは様々な俳優を候補に挙げていました。伝えられるところによればトム・ハーディ、ジェイク・ギレンホール、ジャレッド・レトが上位に挙がっていたほか、ジョニー・デップ、マシュー・マコノヒー、イーサン・ホーク、ユアン・マクレガー、コリン・ファレル、ライアン・ゴズリング、オスカー・アイザックなど大物俳優の名前もあったと言います。
このうち、ホアキン・フェニックスとジャレッド・レトはジョーカーを、ユアン・マクレガーは『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PRAY(2020)』にてブラック・マスクを、コリン・ファレルは『ザ・バットマン(原題 The Batman)』にてペンギンを演じるなどDCコミックスのヴィランを演じました。そしてトム・ハーディは『ヴェノム(2018)』、ジェイク・ギレンホールは『スパイダーマン : ファー・フロム・ホーム(2019)』、ジャレッド・レトは『モービウス(2021)』とマーベル作品に出演しています。
他の候補者にも今後コミックス映画に出演する俳優がいるかもしれませんね。