DCコミックス映画『THE BATMAN -ザ・バットマン-』がいよいよ日本に上陸。早くも話題沸騰中の本作ですが、鑑賞した皆さんの中にある疑問が浮かんだ方もいるのではないでしょうか。本記事ではそんなあの疑問について考察していきます。
※本記事は『THE BATMAN -ザ・バットマン-』本編の内容について触れています。閲覧にはご注意ください。
『THE BATMAN -ザ・バットマン-』はブルース・ウェインがバットマンとしての活動を始めてからの2年目を描く物語。そして本作のメインヴィランとなるのは連続殺人事件の犯人を名乗る最狂の知能犯リドラー。リドラーの手下達との戦いの最中、リドラーによる新市長の暗殺計画を阻止しようとしたブルースは胸を撃たれてしまいます。さらにセリーナ・カイル(キャットウーマン)の命が狙われていることに気付いたブルースは、彼女を救うために鮮やかな緑色の液体が入った注射器を手に取り自らに注入すると、みるみる活性化して手下を血塗れになるまで打ちのめします。まるで制御不能になるほどアドレナリンを活性化させる禁薬のようですが、作中ではこの薬について一切の説明がありませんでした。
この緑色の液体は、原作コミックに登場する薬物「ヴェノム」あるいは「ミラクロ」ではないかと推測されます。「ミラクロ」は科学者であるレックス・タイラーによって開発された一時的にスーパーパワーを手に入れることができる薬物のことで、開発者のレックスも「ミラクロ」の服用により1時間だけスーパーパワーを得て「アワーマン」というヒーローとして活動していました。
一方、この「ミラクロ」を基にして作られた「ヴェノム」は、「ミラクロ」同様に使用者に強力なパワーを与えるとともに、残忍性や暴力性も向上させる薬として紹介されており、ブルースは誘拐された少女の命を救えなかったことからこの「ヴェノム」に手を出し、最終的に中毒になるというストーリーもあります。また「バットマン」シリーズを代表するヴィランの一人であるベインが、この「ヴェノム」の常用者という設定は有名な話です。
本作でブルースが服用した薬物が、「ミラクロ」なのか「ヴェノム」なのかはわかりません。ですが今回ロバート・パティンソンが演じたバットマンがまだ駆け出しであり、彼の自己破壊的な傾向がこのようなステロイド的な薬物への依存につながることは容易に想像できます。もし今後の続編でこの薬物に言及することがあればベインの登場にもつながるかもしれません