ジェームズ・キャメロンが生み出した大人気映画『ターミネーター』シリーズの最新作『ターミネーター : ニュー・フェイト』が2019年11月8日に公開されました。1991年に公開された『ターミネーター2』の”正式な続編”として描かれる本作には『ターミネーター2』の直後を描いたシーンも含まれており、かねてより発表されていた「ジョン・コナーの再登場」もついに実現。
あの驚きの再登場はどうやったのでしょうか。The Hollywood Reporterの中で監督のティム・ミラーが解説しています。
本記事では『ターミネーター : ニュー・フェイト』本編の内容に触れています。まだ本編をご覧になっていない方はご注意ください。
待望のジョン・コナーの再登場は、まさかの衝撃的な形で訪れることになりました。
映画の冒頭で、サラがスカイネットを破壊して「審判の日」を防ぐという『ターミネーター2』のラストを振り返ってからその数年後というシーンがありました。平和な日々を過ごしていたサラとジョンの前に、突然おなじみのアーノルド・シュワルツェネッガー扮するT-800が現れていきなりジョンを攻撃、サラが抵抗するも敵うはずもなくジョンはあっけなく殺されてしまいます。
ジョンの再登場はわずか1、2分で終了してしまいましたが、あの若い頃のサラとジョン、そしてアーノルド・シュワルツェネッガーはどうやって撮影していたのでしょうか。
まず、サラ役のリンダ・ハミルトンとT-800役のアーノルド・シュワルツェネッガーはCGのデジタル処理で若返り加工をしています。ジョンは本来エドワード・ファーロングが演じていましたが、現在42歳の本人が子供のジョンを演じるのは無理なので、ジュード・コリーという子役の演技に当時のエドワード・ファーロングの姿をCGで合成しているとのこと。
ちなみに今作の中でも印象的なサラが車に乗って颯爽と登場し、REV-9にロケットランチャーを撃ちこむシーンですが、この時リンダ・ハミルトンはショットガンを持って背中にロケットランチャーを固定したまま車から降りることになるため、撮影には相当苦労したそうです。最終的にはこの背中のロケットランチャーは後からCGで加えられたとのこと。もうなんでもアリだな…
また『ターミネーター』シリーズでも主要キャラクターのジョンを冒頭で殺すという大きな決断に至った理由をティム・ミラー監督はこう述べています。
「まずサラ・コナーは幸せな人間ではありません。彼女というキャラクターは翻弄され、追い詰められている時が最高なんです。実際、ジョンを36歳の会計士として存在させることはできません。そうなっているところを考えてみてください。もしもサラがサイバーダインを破壊していなければ、彼は人類のリーダーになっていました。サラがサイバーダインを破壊しなかったとしたら彼は普通の平凡な人生を送る、ある意味悲しい人物見える可能性があります。そんなのは誰も見たくないですよね。そしてジョンの死がサラにとってのロケット燃料になるからです。新しいキャラクターも活躍させないといけませんし。ジョンがぶらぶらしていたとしたら、彼女たちの物語は始まることはないでしょう。それは良くないことです。(脚本家の)全員の意見が一致したのはドラマティックでインパクトのあるスタートにしたいっていうことです。観客の顔を平手打ちして、「目を覚ませ、これは今までとは違うんだよ」って言いたかった。まあ僕は暴力も子供が撃たれるっていう描写も嫌いなんですけど…このことがストーリーに劇的な効果をもたらすことは否定できません。」
「(新しい救世主は)ジョンの娘とか、そういう存在であるべきでしょうか。僕は反対でした。なぜなら僕が、神に選ばれた者やヒーローが逆境に立ち向かう映画にはさほど惹かれないからです。『マトリックス』のネオやアーサー王よりも、ごく普通の人の方が共感できるんです。だからコナー親子には関係のない、新しい人物が運命を握る方がいいと思いました。」
https://cinema-tronix.com/what-future-terminator-sequels-will-explore/
spurce : The Hollywood Reporter