DCコミックス

『スーサイド・スクワッド』元々は「美しく悲しい」作品になるはずだった ー スタジオから方向性を「コメディにされた」

DCコミックス原作映画『スーサイド・スクワッド(2016)』は本来なら、公開されたバージョンとは大きく異なる「整然かつ複雑で、美しく悲しい」作品だったそうです。監督を務めたデヴィッド・エアー監督が自身のTwitterで明らかにしています。

今回のコメントは、先日『ジャスティス・リーグ(2017)』の本来のバージョンである「スナイダー・カット版」が正式に製作されるとの報道を受けて、ファンから『スーサイド・スクワッド』の「エアー・カット版」の製作を求める声があがったことがきっかけ。「#ReleaseTheAyerCut」のハッシュタグをつけた運動に対してエアー監督も「僕も(実現を)願っています。」とコメントするなど、本来の構想に基づく「エアー・カット版」の公開に意欲的な姿勢を示しています。

『スーサイド・スクワッド』エアー・カット版も存在 ー 『ジャスティス・リーグ』の動きを受けて公開希望の声が上がるDDCコミックス映画『スーサイド・スクワッド(2016)』には公開されたバージョンとは異なる、デヴィッド・エアー監督が目指していた「本来...



そんな中エアー監督は、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生(2016)』が不評だったこと、そしてマーベルの『デッドプール(2016)』が大成功を収めたことから、ワーナー・ブラザーズの幹部によって「整った、多層的かつ複雑で、美しく悲しい」作品になるはずだった『スーサイド・スクワッド』は「コメディにさせられた」のだと言います。

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エアー監督によれば、本来のバージョンはクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト』3部作にインスパイアされたもので、ジョーカーはもっと恐ろしく、ハーレイ・クインは複雑なキャラクターとして描かれていたそうで、ジョーカーを演じたジャレッド・レトとハーレイ・クインをエンんじたマーゴット・ロビーの2人とも「素晴らしい演技だった」とのこと。ファンの間ではジャレッド演じるジョーカーが酷評されていましたが、もし本来のエアー版ジョーカーが公開されていたとしたら、もっと違った評価を受けていたのかもしれません。

なおエアー監督曰く、「これはもう過去の話だし、関わっていた人たちは仕事を変えました。現在のスタジオは映画製作者の考えるビジョンを打ち出していくことに前向きな姿勢を示してます」とのこと。この方向でいけば、「エアー・カット版」は遠くない将来公開されることになりそうですね。

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