『ブラックパンサー(2017)』や『クリード(2015)』のマイケル・B・ジョーダンが、『マン・オブ・スティール(2013)』『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生(2016)』でスーパーマンを演じたヘンリー・カヴィルに代わって、新しいスーパーマンを演じるかもしれないとの噂がありましたが、彼は別のキャラクターに興味があるようです。
演じたいのはカルバン・エリスという大統領
Heroic Hollywoodによるとヘンリー・カヴィルは契約期間が終了、再契約することはなく次のスーパーマン役にはマイケル・B・ジョーダンの名前が挙がっていたようです。ですがマイケルはクラーク・ケント(スーパーマン)よりもカルバン・エリスというキャラクターを演じてみたいと伝えました。
このカルバン・エリスという2009年にデビューした比較的新しいキャラクターは、なんとアメリカの大統領でしかも黒人。そう、まんまオバマ大統領の就任という時代背景に影響されて生み出されたキャラクターなんです。赤ちゃんの時に惑星クリプトンから地球に送られ地球人によって育てられたカルバンは、後に大統領に就任、スーパーマンの力に目覚めてアメリカを守ります。
これ誰かに似てませんか?
そうマイケル・B・ジョーダンも出演していた『ブラックパンサー』のティ・チャラと似た設定ですね。ティ・チャラも超文明国ワカンダの国王にして「ブラックパンサー」として国を守るヒーローでもあります。しかもアフリカ系の黒人です。
ではなぜマイケルは有名なクラーク・ケントではなく、このあまり馴染みのないカルバン・エリスというキャラクターを演じたいのでしょうか?
グローバリズムとトランプ政権という時代背景が影響している?
『ブラックパンサー』が初めての黒人ヒーロー映画として大成功を収めた理由には、「人種や国籍といった壁を取り払う」といったメッセージが多くの観客に届いたことが挙げられます。
『ブラックパンサー』の舞台になるワカンダという架空の国は、他の国と一切干渉しない鎖国国家として文明を築いてきました。新しい国王になったティ・チャラは、これまで関わらなかった国際社会にどう関わっていくかという問題に直面します。また、王室直属護衛軍が全員女性だったり、妹が超有能な科学者だったりと、作品の重要なキャラクターを女性が占めることで、女性の強さや平等性も描かれています。
このグローバリズムやセクシュアリティというテーマが、現在のトランプ政権の「国境に壁を作る」とか「白人の方が優位」というような人種差別的な発言に不満を持つ反トランプ派の人の心に届きました。オバマ元大統領の奥さんミシェル・オバマ氏ですら『ブラックパンサー』公開後に自身のTwitterで『ブラックパンサー』についてツイート。
Congrats to the entire #blackpanther team! Because of you, young people will finally see superheroes that look like them on the big screen. I loved this movie and I know it will inspire people of all backgrounds to dig deep and find the courage to be heroes of their own stories.
— Michelle Obama (@MichelleObama) February 19, 2018
「『ブラックパンサー』のスタッフの皆さんおめでとう。若い人たちが大画面でスーパーヒーローの姿を見ることでしょう。私はこの映画が大好きですし、この映画は様々なバックグラウンドを持つ人達が自分の中にある勇気を見つけて、それぞれの人生でヒーローになるためのインスピレーションを与えるでしょう」
DCコミックスも『ワンダーウーマン(2017)』で女性を主役にした映画で大成功するなど、こういった現実の社会問題と重なるテーマの作品が増えてきています。マイケル・B・ジョーダンがカルバン・エリスのようなヒーローを演じたいのには、こういった社会に対するメッセージが込められているのかもしれません。
ちなみにこのカルバン・エリスが映画化した場合、DCEUに組み込まれるのかはまだわかりません。
https://cinema-tronix.com/dccomics-schedule-from2019to2022/
source : Heroic Hollywood