MCU(MARVEL CINEMATIC UNIVERSE)作品『ブラックパンサー(2018)』にてコスチュームデザイナーを務めたルース・カーターが、43歳の若さで死去した主演俳優チャドウィック・ボーズマンとの思い出を振り返り、企画当初のことを語っています。
ルースが初めてチャドウィックと仕事をしたのは2017年公開の伝記映画『マーシャル 法廷を変えた男』でした。アフリカ系アメリカ人としてアメリカ史上初の最高裁判所の判事に任命された若きサーグッド・マーシャルを演じるチャドウィックに、当時のYouTube動画を見せて服装の着こなしについて話し合い、役作りへのイメージを固めたそうです。『マーシャル』の撮影中にルースがチャドウィックの出演次回作となる『ブラックパンサー』のコスチュームデザインを務めることが決まった時も「内緒にしておこう」と考えていたようで…
「(『マーシャル』の)撮影が終わった時に、ようやくその秘密をチャドウィックに話しました。でもチャドウィックはニヤニヤ笑いながらこう言ったんです。”もう知ってたよ”って。」
『ブラックパンサー』の製作当初、初めてブラックパンサーのスーツをフィッティングする日のこと。ルースはまだ未完成だったスーツにチャドウィックが命を吹き込んだと言います。
「オフィスのマネキンにスーツを着せていたんですが、ちょっとマネキンが変だったこともあって”これは全然似合わないな”って思ったんです。チャドウィックを呼んで、何か問題がないかを確認してもらうためにスーツを着てもらいました。そしてチャドウィックがスーツを着てヘルメットを被った瞬間、まるで魔法のようでした。これがスーパーヒーローの力なのか、って思いましたね。なぜ彼らがスーパーヒーローと呼ばれ、人々に影響を与えるのかがわかりました。」
『ブラックパンサー』は第91回アカデミー賞において、史上初のアメコミ映画かつスーパーヒーロー映画として作品賞ほか7部門にもノミネートされ、ルースが手がけた衣装は見事に衣装デザイン賞を受賞して高く評価されています。
「チャドウィックとは『マーシャル』で一緒に仕事をしていたので、とても信頼されていました。彼は私のことを信じて疑わず、おかげで素晴らしい経験ができたと思います。彼はいつも笑顔で挨拶をしてくれて、ハグをし、そして協力してくれました。」
source : People