今も昔も、僕たちの心に残る名作映画の数々。そんな映画を支える重要な役割を担うのが小道具です。そんな人気映画で使用された小道具は撮影後、所有権のある撮影会社が保管する場合がある一方で、小道具業者やロンドンの映画館ODEONで行われる「BFI IMAXプロップ・ストア・オークション」といった専用のオークションで処分されるケースも多いといいます。
本記事ではこれまでオークションで落札された小道具の中から最も高く落札された小道具15品を紹介!なお、映画の小道具や衣装などを収集するのはあくまで富裕層の趣味なので、僕のような一般人はその価格を見て悔し涙を流しながら記事を書いています。
第15位 『ブレードランナー(1982)』ハリソン・フォードの拳銃
公開当初、興行収入的には失敗だったものの、その後のSF映画に多くの影響を与えた『ブレードランナー』から、ハリソン・フォード演じるリック・デッカードの拳銃がランクイン。
オリジナルのプロップは、Styr Mannlicher .222 Model SLとチャーターアームズ・ブルドッグというリボルバーのパーツを組み合わせて作られたこちらの拳銃は、2012年のオークションで27万ドルで落札されました。
第14位 『爆発!デューク(1979)』リー将軍
1979年から1985年にかけてアメリカのCBSで放映されたアクション・コメディドラマ『爆発!デューク』に登場する主人公ボー・デュークの愛車1969年型ダッジ・チャージャー(愛称 リー将軍)がランクイン。
激しいカーチェイスや度重なるジャンプのため、撮影には何台ものダッジ・チャージャーが使われたようですが、ボー・デューク役のジョン・シュナイダーが所有していた1台がオークションに出品されて45万ドルで落札されました。
第13位 『ターミネーター2(1991)』T-800の模型
機械と人間の戦争を描いた『ターミネーター2』から、アーノルド・シュワルツェネッガー演じるT-800の実物大のスケルトンがランクイン。2007年のオークションに出品されて48万8750ドルで落札されています。
ちなみに前作の『ターミネーター(1984)』の撮影に使われたT-800はプラスチック製で頻繁に壊れていたため、『ターミネーター2』ではクロームメッキ加工を施して耐久性を高めているとのこと。
第12位 『バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)』デロリアン
言わずと知れた名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでおなじみの、車兼タイムマシーンのデロリアンがランクイン。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』3部作の撮影に使用された車両は、当初は全部で7台あり、現存するのは3台のみ。2011年にオークションに出品された1台は主に『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3(1990)』で使用されたもので54万1000ドルで落札。収益の一部はパーキンソン病研究のためのマイケル・J・フォックス財団に寄付されました。
第11位 『オズの魔法使い(1939)』ドロシーのシューズ
ミュージカル映画『オズの魔法使い』でドロシーを演じたジュリー・ガーランドが実際に履いていた4足のうちの1足が2000年に66万6000ドルで落札。原作でドロシーが履いていたのは銀色の靴でしたが、プロデューサーが、「黄色のレンガの道によく映える」という理由で、色を赤に変更したそう。
なお、2005年にミネソタ州にあるジュデイ・ガーランド博物館に展示してあった別の1足が盗難に遭い、10年後の2015年には、盗難にあった靴の行方についての情報には100万ドルの懸賞金が出されたのは有名な話。
第10位 『チキ・チキ・バン・バン(1968)』チキ・チキ・バン・バン
イギリスのミュージカル映画『チキ・チキ・バン・バン』で主人公のカラクタカス・ポッツが作った空飛ぶ車「チキ・チキ・バン・バン」がランクイン。運転シーン用の小型バージョンや空を飛ぶバージョンなど計6台が作られました。
2011年に80万5000ドルで売却、購入したのは『ロード・オブ・ザ・リング』の監督で知られるピーター・ジャクソン。
第9位 『ティファニーで朝食を(1961)』オードリー・ヘプバーンのドレス
オードリー・ヘプバーン主演『ティファニーで朝食を』にて、有名な「オードリー・ヘプバーンがティファニーのショーウィンドウを前に朝食を食べるシーン」で着用していた黒のドレスがランクイン。2006年に80万6000ドルで販売されました。
とはいえ販売されたのはヘプバーンが実際に着用していたものではなく、そのコピー。存在するあと2点のコピーはジバンシィとマドリードにある衣装博物館が所有しています。
第8位 『007 私を愛したスパイ(1977)』ロータス・エスプリ(潜水モデル)
ロジャー・ムーア演じる3代目ジェームズ・ボンドの愛車ロータス・エスプリがランクイン。
水中潜行を可能にするため改造されて車輪の位置にフィンが付いています。2013年のオークションにてスペースX社のCEOイーロン・マスクが86万ドルで落札。
第7位 『栄光のル・マン(1971)』スティーブ・マックイーンのレーシングスーツ
フランスで開催されるモータースポーツの祭典ル・マン24時間レースを描いた『栄光のル・マン』にてスティーブ・マックイーンが着用していたレーシングスーツがランクイン。
このレーシングスーツは、映画公開後にイギリスの新聞「オブザーバー」に寄贈されたもので、当初はル・マンをテーマにしたトリビアコンテストの賞品でした。コンテストに優勝した当時12歳のトーマス・デイヴィスは2011年にこのスーツを15万5000ドルで売却、その3ヶ月半後、再びビバリーヒルズのアイコンズ・オブ・ハリウッド・オークションに出品され、98万4000ドルで落札されました。
第6位 『サウンド・オブ・ミュージック(1965)』カーテンで作った服
ミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』で最も有名なシーンと言えば、ジュリー・アンドリュース演じるマリアが子供達にドレミの歌を教えるシーンではないでしょうか。
使わなくなったカーテンで作ったこの遊び着は2013年に150万ドルで売却されました。
第5位 『オズの魔法使い(1939)』ジーク(ライオン)の衣装
ミュージカル映画『オズの魔法使い』でバート・ラー演じる臆病なライオン・ジークの衣装がランクイン。
本物のライオンの毛皮で作られたこの衣装は2014年に300万ドルで販売されました。
第4位 『マルタの鷹(1941)』マルタの鷹の小像
ダシール・ハメット原作による探偵小説を映画化した『マルタの鷹』にて物語の中核を担う「マルタの鷹」の小像がランクイン。
2013年に410万ドルでラスベガスのホテルとカジノの億万長者スティーブ・ウィンに売却されました。
第3位 『007 ゴールドフィンガー(1964)』アストンマーティン・DB5
ショーン・コネリー演じる初代ジェームズ・ボンドの愛車1965年製アストンマーティン・DB5がランクイン。
撮影に使用された2台のうちの1台が2010年に440万ドルで売却されました。なおもう1台のアストンマーティンは1997年にフロリダ州ボカラトンの空港の格納庫から盗まれ、いまだに回収されていません。
第2位 『マイ・フェア・レディ(1964)』オードリー・ヘプバーンのアスコットドレス
ミュージカル映画『マイ・フェア・レディ』にてオードリー・ヘプバーン演じるイライザがアスコット競馬場に行く際に着用していた黒と白のドレスがランクイン。
2011年にカリフォルニアのオークションハウス「プロフィル・イン・ヒストリー」から450万ドルで落札されました。
第1位 『七年目の浮気(1955)』マリリン・モンローのドレス
栄えある第1位に輝いたのはコメディ映画『七年目の浮気』で、マリリン・モンローが着用していた白のドレス。マリリン・モンローが地下鉄の通気口に立ち、白いスカートがふわりと浮き上がるシーンは映画史上に残るあまりにも有名なシーンですね。
こちらのドレスは460万ドルで落札されています。
いかがでしたでしょうか。なお12月1日と2日に小道具を扱うことで知られるProp Store主催のオークションが今年も開催されます。今年のオークションはオンラインで開かれ、2日間にわたって350作品以上の映画から900以上の品物が競売にかけられる見通し。
目玉商品と伝えられているのは『スター・ウォーズ エピソード3 / シスの復讐(2005)』で使われたオビ=ワン・ケノービのライトセーバー、『バットマン(1989)』でジャック・ニコルソン演じるジョーカーが着用したフェドーラ帽、『007 スカイフォール(2012)』でダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドがMI6の訓練で着用した服、『プリティーウーマン(1990)』でジュリア・ロバーツが履いたエナメル革のロングブーツ、『トップガン(1986)』でトム・クルーズが着用したジャケット、『ファイト・クラブ(1999)』でブラッド・ピットが着用した赤い革ジャケット、『パイレーツ・オブ・カリビアン』でジョニー・デップ演じるジャック・スパロウが着用した帽子など!
こちらのオークションは電話もしくはオンラインにて日本からも参加可能とのことなので、お気に入りの商品ゲットのために参加してみてはいかがでしょうか!?
source : Variety